良い家と長期優良住宅

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長期優良住宅の認定を受けるためには、

1.地震に強い家の証明

2.断熱性能が高い家の証明

3.耐久性が高い家の証

4.メンテナンス性が良好な家の証明

が必要です。これを行政が確認評価できると、めでたく長期優良住宅として認定して頂けます。申請コストを考えなければ建て主さんにとってすばらしい制度ですが、造る側(工務店、建設会社)はなぜかおよび腰です。

それは・・・

とてもめんどくさいからです。

特にこの長期優良住宅の要である「地震に強い家」の確認は手間がかかります。しかしおかしな事に気づくでしょう。今までも殆どの会社が「地震に強い家だよ」と宣伝してきたではありませんか?あれは嘘だったのでしょうか?

建築基準法で決められた最低の耐震基準に対し、たった1.25倍だけ強い家を、長期優良住宅では最低基準としています。だから普通に考えれば今までと同じか、今までよりちょっとだけ強くすれば良いだけなのですが、なぜか「めんどくさい」とか「こんなの役人の天下り先への貢献」とか「ここまで必要無い」等マイナス意見が建築業界では結構あります。たった1.25倍だけ強くするのにどうしてそんなに後ろ向きかというと・・・実は

今までは地震に強い家のチェックはしていない

と言うことです。

凄く単純で当たり前の事です。ただ証明するだけができないのはチェックしていないからでしょう。証明できないのはカルトやおまじないのたぐいになりますから、これでは現代の家ではないでしょう。

特に基礎部分は皆さんが一番手つかず部分で、今までの経験や世の中の常識?程度で造っており、構造的根拠など全くないと言ってもよいでしょう。だから長期優良住宅を申請すると、まじめに構造計算することになり急に基礎仕様が変わります。鉄筋が増えたり、基礎立ち上がりが多くなったりと。

きっちりと「構造区画」が造られる緑の家の基礎。立ち上がりが1mだから標準でべた基礎可能。そういえばべた基礎ってやっぱり最近少なくなりましたね

変ですね。今までも地震に強いと言って来たのだから、今までの造ってきた基礎で行政を納得させれば良いだけでしょう。しかしできません。根拠がないからです。根拠がない「地震に強い家」は絵に描いた餅のように現実ではなく妄想だったのです。

いつでも重要なことは「建築基準法は最低の基準を定めた法律であって、これ以上を国民に提供します」という決まりが第一条で明記されており、この厳守です。

オーブルデザインは長期優良住宅の基礎も長期優良住宅でない家の基礎も全く同じです。常に建築基準法の1.25倍の強度を最低の目標で考えてますから同じなのです。

これは基礎だけでなく、排水管の配管や白アリ予防方法も変わりません。
例えば通気工法程度の白アリ予防方法(防腐防蟻)ですと長期優良住宅の認定は受けられません。通気工法+アルファーが必要で、特に下地材(柱や梁以外の胴縁など外壁を支える材)が杉や檜を全ての外周に使う(又は薬剤散布の)必要があります。それも心材と呼ばれる木の中心部位です

主構造である柱でさえ心材と辺材が混じった木を柱とするのに、下地材に心材を使うはずがありません。もしいま長期優良住宅の家を建てている人は、現場をよく見ましょう。建て主さん以外現場をチェックする人はいません。行政は長期優良住宅の現場チェックはしませんから。これは行政が悪いのではなく、性善説として決まりを作っているからですで、決まりを守らないこの曖昧な業界がおかしいのだと思います。

木材会社に並んでいる柱(KD材)。中には辺材が殆ど!の柱も存在する。多分相当若い(20年)間伐材である。これで長期優良住宅とは・・・。その点は大手ハウスメーカーは凄い。全て薬剤加圧注入材=「オール薬漬け」だから白太部分でも平気。

当ブログでは色々な過激な発言がありますが、殆ど公の仕様書や法律に基づいております。例えば柱の辺材に耐久性がないということはここに書いてあります。
国の決める技術的基準はほぼ間違いありません(住宅での間違いがあったら国が立ちゆかなくなる)。どう見ても建設会社の一個人、一企業の主張が国より正しい事はないので、惑わされることなく家造りを楽しんで下さい。

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