建築技術2017年1月号の記事 ① 床下経由で外気導入

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毎年楽しみにしている住宅技術評論家南雄三先生監修の特集がある1月号。

今回も情報てんこ盛りで何回かに分けて解説と個人の意見を織り交ぜて伝えます。

先ずは

Ⅲ「床下空間を経由して外気を導入する換気方法の採用」とは?

です。

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簡単に申し上げると全くそのとおりです。

床下内は冬には外気より温度が高く、夏には外気より低い時間が多くあります。そのため家の換気の新鮮空気を床下内へ経由させ、室内に取り入れると冷暖房用エアコンの消費電力が、床下を経由させない時と比べ最大6%下がるとされております。

凄い削減率・・・。ただ、、

まず整理する為にこの書で説明していない事を書きます。それは・・・

紙面の関係で書けなかったと思いますが、この床下とは基礎断熱された屋内空間内である床下空間です。床断熱され半屋外である床下空間では無い事を申し上げておきます。でもこれはとても大事な条件であるため一応最初に説明します(※印引用の論文題名には基礎断熱とあるが)。

となると・・・

屋内空間である床下空間に真夏にも外気導入する事になりますが、これは衛生上(カビ等)の面から見て?と私は考えます。この事はもう何回も口を酸っぱくして申し上げており、またこの夏には建築学会の選抜梗概(論文)としてこのような↓発表がありました。

https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2016/08/26/post-0-24/ (本日パスワード解除

この論文では床下内に外気を直接入れていないにも拘わらず、夏期はカビの著しく生えやすい環境になるとの結論です。そこに夏の生の外気を入れれば・・・結果は想像できます。

床下内を外気導入や床下暖房に使わなければ多少カビくらい生えても平気です。なぜなら1階と2階の間・・・この懐にもカビが生えたり汚れが溜まり虫がいるかもしれませんが、許容出来ますよね。それと同じで使わない空間で半密閉してあれば気になりません。それでも30年くらいでカビ臭がわかるようになるかもしれません。

よって建築物を温熱環境のみから考えると床下経由の外気導入は有りかもしれませんが、衛生面から考えた場合はNGと私は強く思います。

冷暖房の消費エネルギーが減る事は事実であり異論の余地はありませんが、長時間軸(5年単位)で考える空気の衛生面では如何なものかと・・・と私の意見です。きっと監修された南先生も実はその事の真偽を話してほしかったのでは?と勝手に推測しております。

この床下経由外気導入で国のWebプログラムにも算定項目が増えたので日本どこでも問題なく床下経由の換気が導入可のような誤解を与えるのではないでしょうか?北海道なら実績があるようですが本州は衛生面で問題のある論文や報告を耳にします。

先ずは

建築技術2017年1月号を買って内容を確かめて下さい。今年度の特集もいつもどおり

「買い」

の情報満載です。

購入先は発行者さんのHPでは↓

http://www.k-gijutsu.co.jp/products/list.php?category_id=6

です。

PS

先日あるブログで不思議な気持ちなりました。そのブログ筆者はもの書きでも収入を得ているのに、気になった本があったので図書館で借りたとの事・・・。今は本が売れない時代なのにその本の売り上げでお世話になっている方が、自分の本は買ってと想うはずなのに他者の本は図書館で済ませる・・・。読者から見るとこの行為が違和感ありと気がつかないことに私は不思議になりました。そのブログは好きなんですが・・・。
新書などの書籍は一般社会人(学生等除く)なら購入しその情報対価をはらいたいと思います。

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