矢印の所が「せいがい」と思われるような意匠。もっとも注目して頂きたいのは外壁。「緑の家」と同じベベルサイディング(横張)。軒の出は2m近い。
東桂苑は明治後期の建築です。
上の写真を見ると・・・何となく 雪の多い地域らしく「せいがい造り」の感じが見られますが、実は現在の多くに見られる「せいがい和小屋造り」ではありません。
大屋敷らしい風格がある外観。間取りも実は機能的ですばらしい
正面からみると2階建てですが、その半分が1階建てで残りは吹き抜けなどです。
上の方に三角形を組んだ木が見えますね。あれがトラス構造の一部。よって太い梁は雪荷重を支えることがなく地震時の耐力と考えられる。
1階の家族の間である板の間の上はこのように吹き抜けです。
そこをよく目をこらして見ると「あれは・・・トラス小屋!」※が見えます。
実はこれに気づいたのは自身でなく、一緒にいた大工さんが「この建物って合掌なのだよね」といっていたので見るとそのとおり「トラス」でした。大工さんはトラスのことは合掌と呼びます。
※トラスとは・・・近代建築で本格普及した三角形を組み合わせた構造のこと。橋などはトラス構造が多かった。
明治後期には西洋的な建築が多く国内に入り、大型木造建築ではトラスは最先端技術で、それを積極的に取り入れたのですね。ですので、当時から見れば今「超高断熱住宅」を造っているように「邪道な構造」とも言われていたのかもしれませんが、その正しさ、必要性は歴史が証明してくれます。
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日本の杉だと思うが、ベベルサイディングである。この雰囲気いいですね。
東桂苑の外壁は「緑の家」の50年後です。そうですね、東桂苑は「緑の家」と同じベベルサイディングです。勿論無塗装で見た所30年以上50年未満という感じです(記録を調べてもわかりませんでした)。
いいですね。この感じ。出隅見切りも「緑の家」と同じ納まり(形)。別にこの東桂苑をまねしたわけでもありませんが、古い建築はこのような納まりが定番でした。
ピカピカの(たぶん)ケヤキ床の無塗装。
見てください。この艶・・・。別にオイルやワックスを塗ったわけではありません。艶はただ単に裸足で歩き、黒茶色の色は火を炊いて「煤」がでていたからです。所謂、無塗装・・・ですね。
見事ですね。
古い家を訪ねると、超高断熱高気密性能以外は大変にている所があります。
所謂「温故知新」です。