デシカホームエアーを考察 その1

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Dsc00913撮影許可を頂いた建設会社さんに感謝です。

とある展示場に実際設置・運転されているデシカホームエアー(ダイキン)をメーカーとHMのご厚意で見させて頂きました。まずはお礼申し上げます。

Dsc01007

さて、デシカホームエアーという名前を聞いた事がある人もいると思いますが、知らない人のために少しだけ説明すると、

エアコンで有名なダイキンさんの数年かけて開発した新しい空調換気扇です。高性能住宅の場合は、熱交換型換気扇を使う事が一般的ですが、ダイキンさんはそのなかでも一条工務店さんへ独占販売していた(過去形)ベンティエールという超高性能熱交換換気システムをもっておりました。熱交換率90%のベンティエールですが、デシカは更に高性能な換気(空調換気と呼びたい)システムとして、昨年の暮れ販売しました。
その時はマニアックな人たちに諸手で歓迎されておりますが、一般の工務店、設計者、くわえて建て主さんは全く興味を示すことも無かったと思います。というのは、まず価格が半端無い金額(希望小売り価格100万円以上)と、現時点の国のマニュアルでは効率評価ができないその仕組みがそうさせておりました。

私も実は興味を示さない設計者の一人であったのですが、依頼がありこのデシカを取り入れた家の空調設計をすることになりました。

Dsc00914この写真からダクトの大きさがわかると思う。機器は巾700mmもある。

まずデシカをよく知らなくてはなりません。そこでカタログ、資料をとりよせ、ダイキンさんに電話すること10回、その後新潟県のダイキンさんの子会社さんを紹介され、その担当者さんにお願いして現物を見せて頂くことになりました。

おおーきい・・・・

寸法は承知しており想像はしていたのですが、実物はやはりおおきい・・・。
ダクトの径も200φとビル並みです。もともとダイキンさんはビル用としてデシカをウリにしておりました。そのノウハウを詰め込んで、数年実物評価をしてようやく販売となったようです。

Cci20130901_0001_2デシカカタログから

  

デシカを空調換気と呼んだのは、デシカは換気扇ですが、その換気扇にエアコン(ヒートポンプ)を内包しているためです。もしかしてエアコンに換気扇を内包が正しいのか・・・。

そしてデシカの凄いところは、エアコンが内包されていれば、室外機があると思いますが、室外機までこの機器に内包しているところです。これは凄い発想です。

通常ヒートポンプで冷房するとドレン水が必ず発生します。また暖房時にもデフロスター時に室外機でドレン水が発生します。だから排水用の管が必ずくっついているのですが、デシカにはない・・・。ここも凄いことです。

皆さんが使っている冷蔵庫はやはりヒートポンプが内包されておりますが、昔はドレン水をためるパンが後ろにありました。今の機種のはありません。ドレン水は冷やす時に発生する(熱移動ですが)熱で蒸発させてしまいます。しかし蒸発した水は部屋に拡散され、部屋の湿気は何時もプラマイゼロです(ドレインとなる水も元々は部屋の湿気)。

デシカは発生したドレン水を冷房時の発生した熱で蒸発させる所まで同じですが、その蒸発した湿気を換気の排気用の空気に乗せて屋外へ排出します。だからドレン管もなくて、湿気は取り去ることができるのです。これは冷房時のモードになりますが、暖房時にはこの逆のモードとなります。

更にデシカたる所以・・・デシカとはデシカント(吸湿材)の事で、ヒートポンプの熱交換素子に吸湿材が塗布されており、それが夏には入ってくる空気から湿気を吸い取り、吸い取った湿気は排気する空気に乗せて外へ捨て去ります。このとき、ヒートポンプの暖かい側(エアコンなら室外機から発生される熱)を使って放出を早めているのです。逆に冬は室内の捨てられる換気排気の中から湿気を吸い込み、それを換気の新鮮空気側に乗せて室内に戻すのです。このときも効率よく吸湿材から湿気を放出させる(パージ)のにヒートポンプの暖かい側の熱をつかいます。
実はダイキンのエアコンでうるるとさららシリーズも同じ感じですが、このパージさせる時に使う熱が電気で直接つくる熱だったので、加湿時は非常に効率が落ちることが欠点でした。それがこのデシカホームエアーではヒートポンプ熱に変わったので、効率はおちないまま、除加湿が可能となったのです。

こうなるとデシカは他のエアコンと組み合わせることで湿度までコントロールできる、換気扇になったので、空調換気扇とよんでいるのです。

えっ・・・エアコンも空調機ではなかったの?

その通りです。一応家庭用ルームエアコンも空調機なのですが、一昔前までは湿度コントロールができないので空調機というよりクーラーでした。クーラーは空気温度を冷やす機器で、湿度は成り行きのままということです。近年再熱除湿ができるようになって初めて湿度もコントロールできるようなりました。また換気機能もついている機種もあるので、ようやく空調機と呼べるようになったのはここ6~8年くらい前からです。 

続く・・・

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コメント

  1. オーブルデザインの浅間 より:

    pika様
     コメントありがとうございます。
    pika様は大御所の鵜野日出男さんのご友人でいらっしゃいましたか。
    シリカゲルを太陽熱で還元できれば・・・。元をたどれば地上でのエクセルギーは太陽光・・・。それを生物が分け合う・・・。突き詰めると工学ではなく哲学になりそうですが、皆が幸福で豊かに生活できるためにも、日本における室内環境をよくしたい・・・その願いは同感で異論のないところです。

  2. pika より:

    デシカと聞いて、私も鵜野日出男氏のことを思い起こします。R-2000住宅に取り組む時から空調機の問題にも関心を持っておられました。私は、鵜野日出男氏の元部下で弟子でもありました。懐かしい名前がここに出てきたことで喜んでいます。
    また、以前にはデシカントをパッシブで出来ないかという研究がパッシブハウスの一部の研究者にありました。それはシリカゲルを太陽熱で還元することで、自然エネルギーを利用して室内の除湿をしようといういうものでした。実用にはいたっていないのかもしれませんが、建築の外壁で気密を保ち、なおかつ省エネルギーで室内の空気環境を良くしようという試みは、どんどん広がっていくべきですね。

  3. オーブルデザインの浅間 より:

    MOTO様
     コメントありがとうございます。
    大きな声で「「緑の家」の家大ファン」と言われると、例えお世辞であっても嬉しいですね(*^.^*)。ありがとうございます。
    >脳内住宅設計のデシカ導入にあたり
    >色々な疑問が解消されるかもしれないので楽しみです
    実測はできないので推測の考察となります。ご期待に添える事ができるかどうか・・・。
    デシカに限らず面白い話題を建て主目線で今後も発信します。またお立ち寄り下さい。

  4. MOTO より:

     初めてコメントします。
     緑の家の大ファンで、いつもブログを拝見してます。
    戸建住宅など望むべくもありませんが、
    理想の住居を求め幾多のHPを訪れて修学に勤しんでいます。
    浅間さんの設計コンセプトに大変感銘を受け、
    脳内住宅の設計ベースは緑の家となっています。
     さて、ブックマークのひとつに鵜野日出男さんの
    高気密健康住宅研究所があり、デシカホームエアーは
    以前から大変興味がありました。
    オーブルデザインの過去ログ等から察するに、
    浅間さんはデシカには興味ないものと予想してましたが
    正にその通りだったのには表情が緩みました。
     脳内住宅設計のデシカ導入にあたり
    色々な疑問が解消されるかもしれないので楽しみです。