床下エアコンのメイン冷房化は慎重に。その3

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Tutida11古いデータがある・・・その頃から床下内には感心が高い「緑の家」

こちらは10年以上前(2005年測定)の「緑の家」の床下内の温湿度測定をしたグラフです。
当時は床下暖房を標準とはしておらずこちらの家も、基礎断熱(1m高基礎)の上、床暖房が設置されておりました。

グラフをご覧頂いてわかるとおり、夏は24時間冷房空調が基本的なお住まいで、居室では25度から28度で湿度が60~65%ですが床下は湿度が70%を超えます。これは床下内が居室より温度が数度(3度から5度)低いためで、空気中の湿気の量が同じなら温度が低い方が相対湿度が上がる自然の摂理です。地面防湿をしっかり行いスラブ化された床下内では、地面から流入する湿気はわずかでそれより居室の湿気に左右されます。
つまり居室に湿気が高いと床下内が温度が低いので更に湿度が高くなると言うことです。又逆もありです(居室の湿度が下がれば床下の湿度の下がる)。

次に下の図ごらんください。

2016_1_29_23_3
図が間違っていたので差し替え201602月。この図から冷房・除湿空調を語るとわかり易い。

2016_1_29_23

これは私が講師をするセミナーなどでよく使う図です。

左右のエアコンの冷房出力は同じ2000wなのですが、冷房の質が全く違います。

左のエアコンの方が潜熱除去まで行う良い冷房状態で、右の冷房は潜熱除去を行っておりません。つまり、部屋の温度は下がるのですが、湿気は全く下がらないほぼ無除湿冷房で近年の低湿度空調に当てはまらない冷房状態です。

ただし・・・右エアコン風量が460m3/hと大きいのでこれを床下に吹き込むと静圧が上がりやすい傾向です。一方左はわずか158m3/hの風量のため、スリットなど隙間が小さくないと静圧はほぼ無いと思われます。この状態では床下の空気が循環するほど動く事が無く、冷気だけが床下に溜まってしまい、温度が下がりすぎて湿度が上がる傾向になります。このように冷房は冷房の出力は同じでも風量の違いによって大きな違いが存在し、それが床下冷房をメインとして使うときに相当難しい事がわかります。※ここで「その2」で解説した静圧が出てくる。

暖房時には低温大風量でもあまり快適さの変化がないので、静圧の上がりやすい大風量で使用し、隅々まで温風を回すことが出来ますが、冷房は温冷風大風量は湿度が下がらないので快適さがないばかりか、より一層床下内の高湿化につながります。このあたりが冷房を床下エアコンで使う難しさです。

よって「緑の家」では、メイン冷房は温度が上がりやすい天井付近のエアコンで、床下エアコンは床下内の補助除湿エアコンとして使います。冒頭で説明したとおり居室の湿度が下がれば床下の湿度も下がりますから居室の空調で先ずはOKです。

どうでしょうか?暖房時は大風量で使用して静圧を高めることで循環させ、冷房時には風量を落としてより冷風で除湿する・・・。理にかなった使い方になります。

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コメント

  1. 阿武隈高地 より:

    デシカもエアコンも除湿は方法が少し異なるが凝縮させて除いてるだけ。
    決定的に異なるのはデシカは換気空気を除湿、エアコンは室内空気を除湿。
    どちらの方法が理に適ってるか同じ除湿能力として時間毎に計算すれば分かります。
    撒き散らした水蒸気の回収は大変ですが、撒き散らす前なら少ないエネルギーで回収できます。
    処理風量が少ないですから再熱を使用せずに60%以下に出来る可能性が高いです。

  2. オーブルの浅間です。 より:

    阿武隈高地様
     コメントありがとうございます。
    >高高でのより良い環境にはもう一つ工夫が必要なようです。
    そのとおりでこれは以前から解説しております。
    再熱除湿を運用しないと相対湿度60%以下を求める人には不充分です。
    ご覧になっていると思いますが
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-4b51.html
    にまとめております。
    今回の話題は「床下冷房のメイン化」についてだけです。
    >夏のエアコンはデシカと同様にするのが正解でないでしょうか?
    エアコンはデシカと全く違う思想ですから同様にはなりません。そのあたりはこちらにあるのでご覧ください。
    http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/4-5e9a.html
    私が思うに湿気の移動(移送)がデシカの本質で、エアコンは湿気の排除と発生(業務用の水補給タイプ)です。デシカ内部では結露を発生させない温度制御がそれを感じさせます。

  3. 阿武隈高地 より:

    久しぶりにレスします。
    >冷房時には風量を落としてより冷風で除湿する・・・。
    高高でのより良い環境にはもう一つ工夫が必要なようです。
    換気空気量より少ないエアコン風量(例112m3/h)では負けて湿度は余り下がらない?
    風量を増やして湿度を下げるが高断熱で室温が下がり過ぎてしまうため再熱除湿を使用する事になる。
    デシカではないですが湿気は元で断つのが正しい?
    換気の外気は全てエアコンに吸わせて除湿してから室内に流す。
    室内にも湿気の発生元は有りますがエアコンの空気で薄められる。
    夏のエアコンはデシカと同様にするのが正解でないでしょうか?
    全熱交換換気等止めて小型エアコン付き換気装置が出来たら安くて良いと思います。