今日恩師から頂いた電話で
「カビと日射のこと・・・続きは?、それと南鉛直面は夏至近辺の日射量が減るのでは?」
と鋭い質問を頂きました。ありがたい事です。
そこでその②をアップします。
築5年目にはいる「緑の家」。南側黄色い線でピッタリ色が変わる。
上の写真も南側で2階の軒先線から外れるところから急にカビが生えております。
この位置を図面で読み取るとこんな感じです。
仰角約50°から 54°
方位角は51°が南外壁面となります。
太陽高度とその軌跡から年間の積算は当事務所に良い計算ソフトがないので簡単には算出できませんので次回に譲りますが大凡の検討をつけます。
まず垂直面の日射量(野中の一軒家)ですが、
ある年の建築士試験問題から
上のように南外壁面の日射量は西、東と比べ夏至を中心に少ない事がわかります。
一方紫外線量は空気でよく吸収されるので時間(太陽高度)でも強さが変わり、日射量と比較すると下のようになります。
日射量と紫外線量は同じくならずここが垂直面の紫外線の受ける量をわかり難くしております。よって実測例を探す事にしてネット検索してみると・・・
実測例は大変少なくこちらの論文に実測がありました。
上の筆者の論文で(以下の図はこの論文からの転載)、
First authorは明石高専の研究室で茨城大学との共同研究。
測る場所によって同じ方位垂直面でも紫外線量が大きく変わってきます。その大きな理由は当たり前かも知れませんが天空率にあるようです。
上の図内の図10住宅地における紫外線量は南側が一番多くなります。これを決定するのが南側の天空率で、建物の南側は意識的に隣棟間隔が大きくなるので天空率があがり紫外線量が相対的に大きくなるようです。
確かに一番上の「緑の家」写真も南側には一切日を遮る物がありませんが、東側には家があります。
ここでわかる事は、木のカビの生えやすさは日射量ではなく、紫外線量となれば太陽高度と方位のつじつまが合ってきます。これも推定は出来ましたが、紫外線照射の化学変化により木の防かび物質がなくなったとの仮定が出来ます。
ただ・・・今後は「カビは紫外線が好き」に変えたほうがいいかな・・・です。