予想はしておりましたがはっきりと数値ででると・・・。
ここから過去11個の提言をしてきましたが12個目の提言です。
超高断熱でなぜ除湿が必要なのか
まず拙宅の築27年の事実から・・・
拙宅は築27年の延べ床32坪です。建築当時で旧Q値1.9w/m2k、C値0.9cm2/m2です。当時は高気密高断熱のトップクラスでした。
今年は24時間25~26℃ RH(相対湿度)50%~55%です。
換気は第3種ですが、風呂はCFを使って低湿度化を助けます。家全体の換気量は80m3/h~100m3/hくらいでしょうか。電気代は一番上の写真でわかるとおり9月分(8月12日から9月12日)で1.4万でした。
空調器機は・・・
空調器機は2台のエアコン。
2階に日立6帖用(2014年製)と1階に東芝6帖用(2014年製)です。
両方とも再熱除湿運転が主になります。
設定は日立が概ね 除湿50% 温度プラス1℃
東芝が 除湿50% 温度27度
となります。
空調の電気代とカビそして今後は・・・
電気代合計では冷房中心の昨年は1万/月でしたが、再熱除湿中心の今年では1.4万/月です。中間期の5月の全ての電気代合計が0.6万/月ですから、夏後半の冷房は0.4万/月で、再熱除湿は-0.8~1万/月で運転している事になります。
しかし・・・
この電気代の差なら再熱除湿運転をしてしまします。
なぜなら・・・
築27年の条件が大事で、
昨年の冷房中心の空調ではアトリエラボの土間空間でかび臭くなることが多々ありました。無論そこは目視出来る高さがあり、カビの原因(物と埃、チリ、ゴミ)がわかります。
それが今年はまず・・・カビくさくないのです。
それと私達52才を超えた年齢で運動を積極的にしない代謝がおちた体には、温度が低いことが辛く、湿度が低い方が柔らかい空調なのです。その理由は次に紹介します。
除湿は住まい手と家の寿命のため
なぜ床下エアコン暖房を始めたか?
これは2009年にこのブログ案内しているとおり、
「長期的には家の性能より人の性能がかわる」
「歳をとると冷え性になりその時に床が暖かく出来る仕組み=床下暖房」なのです。快適さのためだけという切り口ではありません。
若いときは気がつきませんが、普通の人は加齢で代謝性能がおちるのです。
筋肉がなくなり代謝が落ちれば自己発熱は少なくなり、補えない熱は末端血管を収縮して余計なところから(手足先端部)の発熱を抑えます。これが冷え性にちかい状況になります。
筋肉量の衰えは自分のふくらはぎを触ることで若い時分とその硬さの違いに気がつきます。
暖房期だけではなく冷房期にも加齢時に体の変化が起こるとは思いませんでした。落ちた代謝は冷房時の温度を敏感に察知し、低すぎると室温は不快になります(25度以下)。しかし26度にすると湿度が高ければ暑い・・・。特に女性はホルモンのバランスが変わる時期なので男性よりもっと顕著です・・・築20年経過後はきっとそのくらいの年齢でしょう。
家は防かび性がなくなるので除湿!
浅間理論(仮説)よれば、家の防かび性能は30年付近で一気に低下し、35年以降かび臭い家になると説明しました。これがあてはまる地域なら築20年以降は、夏期の通風禁止だけで無く再熱除湿のよる除湿乾燥運転にすべきです。
夏期の通風中止、網戸取りやめでこれだけ多くのご批判を頂いた「緑の家」ですが、
更に冷房ではなく築20年を過ぎたら必ず除湿にしろ・・・とは
過激すぎて一般には・・・発言出来ません。
ご理解ある皆様だけにカビ仮説の延長になりますが・・・ご紹介しました。
全く除湿理論を知らない人でも同意する快適さ
上の事を考えなくても、また妻は除湿の理論なんて全くしりませんが、もう冷房運転には戻れないと言います。
電気代が倍かかるとわかっていてもです。
かかると言っても月0.5万~1.0万(家の大きさで変わる)で家族の外食を2回止めれば間に合うお金です。
もし電気代が気になりRH(相対湿度)65%で良いなら冷房で、50%台がよければ電気代を気にせず再熱除湿で・・・
ダイキンのホームデシカと比べて
お金があればデシカ導入でもよいかもしれません。
デシカ導入とエアコンの再熱除湿のラフLCC(ライフサイクルコスト)は・・・
あまり変わりないか?
- デシカ1セット100万、デシカの取り替え代約80万=180万(30年)
合計180万
- 個別熱交換換気扇5台20万 再熱除湿の年間電気量増分3万 30年で 90万、
熱交換気扇取り替え代20万 合計 130万
50万の差はデシカは設定簡単、エアコン再熱除湿は夏期何度か設定見直し・・・の差です。これも立派な経費です(デシカ設置によらずエアコンは2台初期必ず必要)。一年に直せば1万/年ちょっとです。
ただデシカが15年後もあるか?くらいでしょうか。
デシカのことを書いた3年前はこれほど除湿やデシカを評価しておりませんでしたが、
- 家電製品の省エネ化で電力が減り夜間の顕熱負荷が低くなった(潜熱負荷変わらず)。
- 家の寿命とカビの発生が理論(仮説)つけられた。
- 再熱除湿器機が危機である(実質2社のみ)。
- 自身が加齢してわかった事がある。
状況が変わったことによりお勧めの設備もかわります。
湿気(ガス)の移動は遅い
24時間除湿するとわかる問題として・・・
湿気の移動スピードがあります。これらは様々な法則からその速度、拡散を導き出すことも可能ですが、式を見るだけで頭が痛くなり、もっと学問を積んでおけば良かったと思います。
空気の循環(空気とは湿気を除く窒素、酸素のこととする)がないと・・・つまり気流や温度差がないと、湿気の移動は意外と遅いのです。計算方法はフックの拡散の法則で解くことが出来るようです、それによると0.3cm/sなので10秒で3cmくらいでしょうか。従って例えば気流が拡散と反対方向に0.1m/sあるなら拡散が阻害されるので、気流に影響を受け拡がる事になります。ですので上のグラフが示すとおり、1階床下エアコンで再熱除湿ON、2階の天井についたエアコンが再熱除湿OFFの時は、1階と2階の湿気の差が多くなります。両方のエアコンがONの時にはほぼ同じくなり、エアコンの除湿能力で差が少しつきます。
ここからわかるところは・・・
2階の冷房がONの時は、冷気が下に移動しますから(気流の発生)湿気の拡散も拡がりますが、床下エアコンを冷房や除湿につかっても2階の空間まで均一にはなかなかなりにくいと思われます。
つまり1階と2階に1台づつエアコンを設置するか、吹き抜けがありシーリングファンを設置してもよい状況ならそのほうが環境としては均一になります。人によってはシーリングファンが回っていて視界にはいるとイライラする場合がありますから注意が必要です。
さて全てはつながりますが・・・
基礎断熱の床下に入ることも容易では無い湿気は、一度床下内に入ると逆に出にくいといえ、1階より低温の床下内では高湿時間が長引く・・・ことが通風を嫌う原因でもあります。
提言12は如何でしたでしょうか?