外部ブラインドは窓閉生活が良いのか?

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ガラスがないと長波長の赤外線が室内に入ってくる。

晴れた日の午前中、事務所内東側の窓に向かって熱画像の撮影をしました。

すると・・・

このような温度分布になります。

開口中央部は窓を開けており、左右開口部は中央のガラスが重なった状態・・・つまり2重ガラスの状態です。

外部にはブラインドが下げてあるので、このブラインドに直達日射は室内に入っておりません。そのため外部ブラインドは温度が上昇しその熱画像を見ている事になります。

開けられたガラスが2重になっているところとシングル部分では、ガラス表面温度がちがう事に注目。ペアガラスではないので、輻射熱がガラスに自体に吸収された事になる。

加熱されたブラインドが発する輻射熱は、長波長の赤外線となるので、このような薄い素ガラスでも遮蔽効果があり、室内にほぼ影響をおよばさないようになります。

一方ガラスのない通風している開口部は、ブラインドが熱せられ、その輻射熱を室内で受ける事になります。

事務所の外に設置されているブラインドは茶色であり、比較的濃い色を選びました。

これは・・・

茶色の外付けブラインド。以前は白であったが眩しく暑いので暗色にした。

事務所では夏期は窓を閉めて冷房するので、その時に日射が和らぐよう(輻射熱感じにくくするように)配慮したためです。

つまり・・・

窓を閉めた冷房の時にでも、外の明かりは欲しいのでブラインドの羽角度は水平にします。この時に羽で反射した日射が室内へ入るわけですが、羽が白いと可視光線が眩しいばかりでなく可視光と同様に赤外線も反射して室内へ導かれ、この赤外線が結構熱く感じるので、赤外線を吸収する暗色を羽の色として選んでいるのです。そして羽は赤外線により熱せられ、その羽から今度は更に波長の長い赤外線が発せられますが、これはガラスによってある程度遮蔽出来るので、可視光線と同時に入ってくることが少なくなります。無論可視光線も暗色の場合反射率が落ちるので光量は下がりますが、夏の明るさとしてはちょうど良いのです。

普通に考えると羽を暗色にして暖かい部位をつくるとそこから赤外線として室内に再放射されると考えますが、羽の温度はせいぜい50~60度なので、この温度から発せられる赤外線の波長は長波長となり、ガラスを透過出来ずに室内に入るの量は少なくなります。これは温室効果といわれるビニールハウス内が日射によって暖かくなる現象の反対環境になります。

従って、夏期の通風をせずガラスで常に仕切る「緑の家」では、外部に設置するブラインド類は暗色の方が室内に熱を与えません。

一方夏期通風をする家では、外部に設置するブラインドの色は白色のほうが良い場合があります。しかし夏は可視光線も熱を運ぶので少し薄暗くなると同時に眩しくならない暗色をやはりお勧めします。

あっ・・・全く突然ですが車の外皮は断熱材がないので間違いなく白色がエアコンの利きが良いですよ。最近は省エネ車と言いつつ屋根が黒の車が流行しておりますが、日本では間違いなく白い屋根が快適で冷房エネルギーも少なくすみます。国内で白い車が流行を問わず好まれるのは、それを体感的に感じているのかもしれません。

上がブラインド羽水平。手摺や屋根が熱くなり、そのような被写体があれば全閉した下の羽から発せられる輻射熱と同じくなると思われる。

上の写真はブラインドの羽の角度を変えた時の熱画像です。羽が日射で暖められているので、その面積が大きくなる全閉では、温輻射熱が多くなるでしょう。羽を水平にして景色がみえるとその景色中の建物が熱くなっていなければ上の通り輻射熱は全閉時より少なくなります。しかし真夏になると、景色中の建物外皮の温度が上がり、両者輻射熱は同じくなってしまいます。

上の写真は午後になって日射で周囲建物温度が上がったときに、ブラインドを上げた熱画像です。ガラス一枚で波長の長い赤外線をガラスが吸収している事がわかります。真夏になると更に吸収が多くなりガラス自体が暑くなるので今度はそこからの輻射が気になりますが、最近のLow-Eペアガラスでは問題にならないでしょう。

以上のことから窓ガラスが閉まっていると外ブラインドを有効に使い切る事ができるのではないでしょうか。

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