「緑の家」の一発高基礎打込み前のチェック 

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住宅で超高断熱よりも大事なこと・・・

それは家の耐震性でその礎が基礎工事です。ですので当ブログでは、高気密高断熱より話題が多くなっております。今回も・・・まず最初にこの写真から・・・。

一般の現在では殆ど見ない長さ450mmのM12アンカーボルト

これは基礎構造でも重要なコンクリートと木の構造をつなぐアンカーボルトです。そのなかでも一般的に一番よく使われるM12(有効直径10.4mm)のアンカーボルトです。

「緑の家」では、このアンカーボルトはとても重要な工事監理部位としており、よくチェックするように心がけます。

昨日も私が東京に行っている間、スタッフMがコンクリートの打込み前にアンカーボルトの長さが指定より50mm短いものが混在していることを見つけました。既にスタッフMの工事監理の注意力は私より上かもしれません・・・。

家の基礎工事には欠かせないアンカーボルトM12は、一般市販品で長さが3種類あります。

400mmと450mmと500mmです。

このうち「緑の家」は450mmを使います。

なぜか?

家の耐震性の確保のためアンカーボルトで基礎コンクリートと木の柱をつないでいる訳ですが、構造規定ではアンカーボルトを250mm埋め込むと約11kN(1.1トン)のつなぐ耐力が有ります。ところが250mmより少なくなると少なくなった長さに比例して耐力落ちます。アンカーボルト全数(1件で50本以上)に同じ11KNの耐力が必要な訳ではありませんが、アンカーボルトが安価なことで、どのアンカーボルトにも11KNが生じてもよい計画としております。

この写真でもナット上に突き出た部分は15mm以上あり、長さ400mmであるとNG箇所もある。

そこで

・埋め込みが250mm
・土台の大きさが120mm
・座金が6mm(60角)
・ナットが10mm
・ねじ山 3山で4mm

合計で390mmとなり

アンカーボルトの長さが400mmあれば足りることになります。ところが・・・

現場では10mmの余長(400-390)では誤差範囲内とはいえないので、400mmのアンカーボルトではなく450mmを設計図書で指定しております。勿論特殊な座金(土台に食い込むようなタイプ)を使えば400mmでも誤差許容は30mmになるので問題ないかと思います。

念の為、この400mmのアンカーボルトを450mmに換えてもらった。

打込み前日にはセットするアンカーボルトであるが、今回は打込み直前にセット完了

いよいよ打込み開始。最後の掃除など。

M16アンカーボルトは最も重要な部材。材種、長さによって耐力がかわるので施工者、および設計者でダブルチェックが行われる。

もう一つ重要な部材・・・座金・・・

最近は座金とナットが一体化された座金が使われておりますが、その大きさも2種類あり、直径45mm程度ですと40角座金並の耐力しかありません。下の表で表すとおり6.4KNとなり、先ほどのアンカーボルトの11.4KNを大きく下回ります。

巷でよく見掛けるアンカーボルトはこちら。直径45mm程度の丸座がね一体のナット。

これでは高い倍率の耐震壁を支える事ができません。

よってもし4倍程度の耐力壁を使うなら、直径70mm程度の大きな座金とナットが一体化された物を使わないとNGです。

大きさは全然違う

そして最後はコンクリートの品質・・・

「緑の家」は通常コンクリートの50%増しの高強度コンクリート(呼び強度33Nスランプ15)が標準で、期待耐久性は75年以上とされております。

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