「て・こあ」でのある1日 壱百弐拾弐 
天井に断熱材

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今年の「て・こあ」で収穫したゴールデンキューイです。

摘心しないので小ぶりですが、数は多い・・・

黄色い色のゴールデンキューイは酸味より甘みが強いので、最近はこちらの品種が多くなっております。

さて本題・・・

「て・こあ」の一階中央10帖の間は、格天と呼ばれる天井で、意匠性は高いのですが最近はあまりお目にかかれなくなりました。
この天井は100年経過しているので雨漏れと乾燥によるヒビがたくさんあり、特に去年は暖房をがんがん使用したので、そのヒビが成長して10mmをこえる場所もあり、暖房すると暖気がそのヒビから全て上の小屋裏に逃げてしまいます。

そこでヒビを埋める方法はないかと考えたのですが、良い方法がないので簡易気密シートと断熱材で暖気を逃がさないように手を加えました。

小屋裏に潜って確認すると、格天の作りは天井裏に何もないのが特徴のようで、気密シートと断熱材を敷くことはできそうです。但し、天井の上に載ることは強度上できません。この上に載ると天井が抜け高さ4.5m下に落ちることになります。ではどうやって施工するかというと、

ブルー色が簡易気密シートに見立てた発砲系の梱包材を流用。透湿抵抗は低く防湿を期待できないが、気密性はなんとか維持できる。

小屋梁の上から長い棒を使って敷きつめることになります。天井と小屋梁の距離は2.5m・・・。つまり間違っておちると高さ7m上から落下してしまいます。慎重に慎重に断熱材を長い棒で押したり、引いたりして設置します。

ところで・・・

今回の断熱材はペットボトルと同素材のポリエステル系断熱材。「て・こあ」は、しっかりと気密がとれないことと、抱き込むように施工するのでグラスウールですと体中チクチクし悲惨なことになります。よって触れても、飛散しても全くチクチクしないこの断熱材をチョイス。欠点はグラスウールと違って不燃材ではないこと。炎を近づけると溶けます。

しかし今回それを差し引いても、リフォーム用として魅力的な断熱材です。

上の写真のように完全に引き込むのに丸一日・・・。棒を使わずに手で敷き込めば普通なら30分で終わります。それが8時間・・・上から落ちなかっただけでも良しとしましょう。

よく100年生き残ったと思わせるこの華奢な作りがとても不思議な小屋組。

「て・こあ」の小屋組は、戦前の煮炊きの煤で本物の真っ黒さ。野地板(屋根の直下の板)だけは葺き替えられているので木の色が残ります。

格天の天井裏は床のように真っ平ら。動物の死骸がないところが守られている感のある寺院建物。

大正7年8月に竣工した時の札が小屋裏に縫い付けられており、時代を感じさせます。

今回の簡易気密施工で、暖房をがんがんつけてもヒビがこれ以上大きくなることはないと思っております。

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