今週はとても煩雑な週
著名な構造設計者との会話

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今日は東京へ講義を聴きに行く。というより会いたい人がいるため。

オーブルデザインさんだから省エネとか高断熱とかZEHかな?と思われた方はまだまだ「緑の家」の通ではない(笑)。

今回の会いたい人は構造関連の方であり、特に基礎の構造に精通している実務者さんである。

運が良ければ目的を達することが出来るとおもうが・・・。

と言うことで新幹線の中でこれをアップする。

明日は山形県上山市で建築中の上山の家の配筋検査。その足で福島県伊達市で施工中の伊達の家の防水検査と打ち合わせ・・・。朝5時起きの夜8時帰りのハードスケジュールなので、今回はスタッフMと一緒に行くつもり。車での移動距離は多分600kmを超えるのではないかと思う。

金曜日は打ち合わせと夜に再び五日町の家(事務所から片道100km程度)で見学会前の空調のチェックをおこない、週末が五日町の家の完成検査と同時におこなわれる見学会である。

こんなにこなせるのか?スタッフMも堺市の家の事務処理で新潟市に出向き、事務所に人がいる方が少ない週となる。ただ…今週は雪が降らないのが救い。

歩道や道路の雪を飛ばして周りは4mを超える雪壁。人力では太刀打ちできない積雪のある南魚沼市の風景。

2月は今日でおしまいである。今年の冬は大変だったのが実感。なんといっても「て・こあ」のある和島での38豪雪以来の大雪・・・。一晩でみるみる増える雪には恐怖を覚える。いつもこのブログで言っているが自然とは脅威であり、それと戦うように過ごすのが男性の役目で、たぶん女性は自然とできるだけ戦わないように過ごすだろう。特に力仕事がつらくなる55~60歳ごろからこの役割分担が顕著になる。これには違う考えもあるだろう・・・それはそれでよい。様々なスタイルがあってしかるべきであるが、雪を見ると私はこころが騒ぐと同時に身構え臨戦態勢になる。この時たぶんドーパミンも放出されるのでわくわく感も感じるのである。しかし今回の圧倒的な雪には・・・なすすべもなく降りやむことを待つだけだった。そんなことを思い出しつつ雪のほとんど降らない東京でみる今日の景色はいつもとは違うのだろうか。

「緑の家」では、13年くらい前から基礎構造ではべた基礎が多い。たぶん布基礎との比率は20対1くらいであり、圧倒的にべた基礎が多い。建て主さんでもべた基礎といえば何となくイメージできる人も多くなったそんなメジャーな基礎である。

なぜ「緑の家」がべた基礎になったかというと、べた基礎のほうが構造計算が簡単だったから。当時は木造の構造計算のソフトが少なく行える内容も限られていた。特に今のソフトで普通に行われる上部梁伏せ図からの加重拾い。これを行わないと布基礎の場合は安全率が高くする必要があり、それが布基礎のベース幅を大きくしていた。特に「緑の家」の場合は、耐雪1.5mも普通にあったので屋根荷重が大変多い・・・。そこでべた基礎の場合は、総2階に近い家の場合、囲まれた区画から比較的正確に荷重を割り当てても大きなずれはないので、安全率が低くできるメリットがあった。また当時は土砂運搬処分も比較的高価だったことも一因で、都市部では基礎のコストダウンにべた基礎が使われたほど。

べた基礎になった次の理由は、床下の土間コンのヒビが入らないので見た目が良いということ。ご存じ「緑の家」ではいつも人が床下内をメ簡単にンテナンスできるので、土間コンのヒビがあれば目に入る。無論布基礎での土間コンは構造体ではないので、ヒビがあっても構造的な問題はない。しかし見ためがやっぱりNGなのである。一方べた基礎の土間コン部分はスラブと呼ばれこちらは完全な構造部分。ゆえにヒビは入ることがない(ヒビがあれば瑕疵の可能性が高い)。

この2つの理由でべた基礎がほとんどすべての建物の仕様となったわけである。このことを知らない設計者もおおいだろう。

さてなぜこんな話をしているかというと、「緑の家」では今後布基礎もありかなと思い直しているから。昨今の構造計算ソフトは、梁伏せ図から正確な荷重拾いも可能になったため、昔のように大きい安全率が不要になった。しかも新潟県では90%の割合で地盤改良がおこなわれるため、地耐力も30~50KN/m2まで通常確保できる。このことにより過大な基礎ベース幅が必要なくなった。そして今回の見直しのトリガーを引いたのが、スラブを水平に伝わって逃げる熱がどうも気になるから(大地方向は特に問題にならない)。その熱の量は年間でも今のところ目くじらを立てる暖房費にはならない(外側断熱材追加などでかかる費用は30年でないと回収できない)が、今後電気料金が上がった際は、やはり何らかの対策がとりやすい基礎構造がよいから。実は・・・北海道では今でも布基礎が標準である。これは北海道が寒いことと土地が広くて、土を処分するのに大きなコストがかからないためと考えられる。冬季氷点下が多くを占め、かつ雪がない場合は特に基礎周囲地中にも断熱をいれないと、しかるべき断熱効果が達成できない。同時に地中深くまで基礎を作るので布基礎の方が合理的で安価になのである。

とここでショックを受ける・・・。これを打っている目の前のタブレットのガラス一部が割れているのである。最近落とした記憶がないのに何故われている。ああーやっちゃったとの事でここでひとまず休憩。

で・・・

既に会場・・・

結構大勢来ているのですね。流石主催者さんは有名な会社さんである。

最初は大橋好光先生で構造全般のお話。次に山辺豊彦先生となる。

タブレットはタッチセンサーが逝かれたようで、無反応となり仕方がないのでキーボードをつなげてもうノートパソコンになってしまった(笑)。

スマホは画面が割れても結構動いているのに、タブレットは少し柔い・・・。

……講習後

今回の目的は達せられた。山辺先生と2人きりで話すことができた(立ち話だが)。

感動した!構造的見解のその内容はお互い一致した。

初めてお会いするのに、技術的内容の話は垣根がない。山辺先生は住宅医協会さん代表理事でもあり、古い建物の改修、診断を現場で実際行う。このため机上の空論になる考えは一切ない。現場でその断熱材がどのように施工されているかをよくご存じで、かつ地面の中が画一で均一であるという考えは全くない。

タブレットは壊れたけれど、それ以上の価値ある会話だった。今までこの考えをいろんな人、所で話したが、同意してくれる意見はだれからもきかない。3年前には東北フォーラムの講師として質問に答えたし、また床下エアコンの講師として過去何回か公演させた席でも話した。またこのブログでも数年前からたくさん発信しているが、同業読者さんも大勢いるがみなROMばかりで初めて賛同してくれる人がいたことに感謝。しかもその人は構造設計の大家である山辺構造設計代表の山辺豊彦先生である。

この続きは明日掲載する予定だがそうなると朝4時起き?無理かな。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    “縁の家”が5か所・・・。
    “緑”ではなく”縁”。

    探してみると、他にもチラホラ
    https://www.google.com/search?q=site:arbre-d.sakura.ne.jp+%22%E7%B8%81%E3%81%AE%E5%AE%B6%22

    • スタッフM より:

      通りすがり 様
      ブログ管理をしておりますスタッフMです。
      ご指摘ありがとうございます。
      誤表記について修正いたしました。

  2. とうちゃん より:

    つづきが待ち遠しいデス!

    • Asama より:

      お待たせしました。
      ご期待に添えないかもしれませんが昨夜にアップしましたのでご覧ください。

      PS
      バタバタで・・・まだココログ試していません。