「て・こあ」でのある一日 弐百四拾 
梅雨前の準備

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今週から順次梅雨入りが発表されるようである。

そんな昨日の月曜日、「て・こあ」では窓を開け放して梅雨前の乾燥をおこなった。

南側の間戸は全て引き込み戸。2つの玄関は引き違い戸。引き込まれる室内の暗さが雰囲気をだす築101年目の「て・こあ」。

何回か案内しているが、「て・こあ」の真南に向いている窓は、引き込み式(いわゆる雨戸のような形式)のシングルガラスの「間戸」である。

いつ見ても浄善寺の屋根は美しい。

よってその窓を引き込んだ時には、なんとも言えない独特の景色が室内から見える。これはどちらかというと解放感と逆の感覚。卵の中にいる雛のような・・・その殻の一部が切り取られているような気持ち。

建築雑誌にはこのような全開放窓の家が数多く紹介されており、内外の一体感または解放感との語句で表現されるが、私はちょっとだけ違う感覚。

いつも申し上げているとおり、

「自然は驚異であるから、たった一枚の薄いガラス、網戸でも様々な脅威(蚊や蜂、アブ、タヌキやイタチ、テン、ハクビシン、ムカデ、ネズミ、ゴキブリその他もろもろ)から守ってくれていることを実感している。」

だからこのように自然との結界を一切取り払うと、いつもは守られているバリアを壊し、森の中に肌身さらすような感覚でもあり、一方卵の殻を壊して外界を覗くひなのようでもある不思議な感じ。そんなことを思いつつこの外敵がせめてこないわずかな時間と季節を楽しむのである。

実はこの薄氷の結界を持つ住まい方が、田舎では環境と共に暮らす住まい方かもしれない。多くの野生動物はむやみやたらに争い行わないように、マーキング等でテリトリーを主張する。人も建物の中に入ってきた侵入物(動物や昆虫)は排除または殺傷に対して躊躇しないが、一歩外へ出れば、彼らの行動を様妨げない。農薬で全滅しようとも思わない(というより出来ない)。しかし私が子供のころ住んでいた市街地では、年に数回町内で一斉に農薬を噴霧し蚊やハエの絶命させ家の外まで人のテリトリーを主張したと記憶している。だから市街地では日中蚊に刺されることはなかった・・・。どちらが良いのではなくそれぞれのふさわしい住まい方、方法がある。

一年で数日もないこの穏やかな風の吹くこの季節を、実感し楽しむことができる夏の家「て・こあ」は、「緑の家」とは真反対な家の環境性能であるからこそ、この北陸地方の超高断熱高気密の今後を考えるにふさわしいと建物だと思っている。

カビ臭がまだしないが、間戸を全てあけると風が通り抜けカーテンや簾がゆれる。

それとホットしたことが一つ。

「て・こあ」管理人が庭で大きな声をあげその指をさした先に、2匹の青い蛇がみえ、それが上の写真のところで見えなくなった。矢印のところをのぞき込むと、

マムシと違ってスリムな蛇。頭も小さく目も可愛い。

マムシは一ヶ月以上前に見たけれど今年初めてお目にかかった・・・青大将。体長は1mほど・・・。

2匹色違いがいたということはツガイ?

青大将は目が可愛い・・・。これで家の守り神が戻ってきたのでちょっと安心。

蛇が好きでないという管理人が蛇の居そうな場所でも、もうすぐ何時もの皆さんと4年ぶりくらいに立ち寄られる方々12人分の昼食用に、裏山で三ツ葉と山椒の実と笹っぱを採っている。今日は暑くなるので採取した香辛料が決め手の「フォー」、「フーティウ」というベトナム料理・・・とのこと。暑い時期には東南アジア系の食べ物のがおいしい。

土間キッチンの窓から裏山がみえる。

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