「て・こあ」でのある一日 ㉔ ラボ 2

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クロッカスが満開になると春が来たと実感で得きる。

新潟では待ちに待った春の到来です。

最初に咲く身近な花が「蕗の薹」で次が鮮やかなクロッカス・・・

昔は押し入れに積極的に漆喰が使われていた。

ラボその1の続き・・・

押し入れを解体すると、まず表われたのが漆喰壁。ベニヤ板で隠して有ったところを剥がすと白い壁が表われます。

このブログで再三再四申し上げているように、

「自然素材は黴びる。それも自然に近いほど・・」

はあたり前の事で、土に還る最初の現象がカビですから、自然の中に織り込まれた素材は必ず黴びます。そこで黴びては困るというところには「漆喰」を塗りカビから遠ざけておりました。

「なるほど漆喰は自然素材の中でも黴びないのか!」

と思われた方は早計です。漆喰は厳密には自然素材(ここでは天然素材のこと)ではりありません。日本の古くから造られた漆喰は「貝殻」、「石灰石」に熱を大量に加えてCO2を強制放出させたもので、それを放置すると再び空気中の二酸化炭素と結合して安定化しますから、天然ではなく人が手を加えた人工物です。その点は鉄と変わりないのですが、なぜか漆喰は自然素材と言われており、私には不思議な感覚です。この人工物は強アルカリという特性のため、なかなかカビの苗床にはなりにくい性質があり、この特性をいかして、カビが生えやすい場所に防止剤として使っておりました。だから押し入れの壁に漆喰がつかわれたのです。

緑が漆喰で厚さ1mm弱。青が中塗りの土壁で赤が荒壁で厚さ2~3センチ。黒部分はカビ。

また自然素材が好きな方の中でも誤解されるもう一つに、漆喰は吸湿すると思っていらっしゃる方が多い事です。漆喰は厚さわずか1mmで、卵の殻のような薄さで塗られております。上の写真でわかるとおり薄い漆喰の下には土壁が厚さ3cmくらい有りこの土が湿気を吸放湿しているのです。ですので現在の家で漆喰の下地が土壁ない限り、湿気の吸放湿は木材よりありません(土壁の吸放湿を妨げない特性はある)。無論、ビニールクロスと比較すれば漆喰は吸放湿しております。

ネジまがった木をそのまま使うその加工は無駄がない。

上の写真が根太(床板の直ぐしたの材料)に使われていた丸太の半割。こんな造形がオーナーは好みで、黴びていなければ内装材として使いたいと聞いており、捨てず(燃やさずに)に集めています。

端部の高さ調節部分。

旧家の取り壊しはとても勉強になります。あの法隆寺の棟梁で故西岡さんが棟組を教わった場所は古い建物の取り壊しだったと語っております。

表面はパリッと中はしっとり・・・。これが焼き芋用の鍋の中で、しかも薪ストーブの上においているだけ。

お昼はストーブに上に載せた焼き芋用のホーロー鍋で焼いた「パン」です。こんなものでほんとに焼けるのかなと半信半疑ですしたが、これは見事!専用のオーブンで焼いたような仕上がり・・・。お味も最高の・・・こんなパンはそのままが一番おいしい。ご飯の炊きたて同じです。 ご馳走様・・・です。

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