梅雨明け宣言があった昨日の「て・こあ」・・・
窓は一切開けていない・・・。
勿論・・・エアコンなんてない。
と書くと
『えっ・・・「て・こあ」って確か通風の家だったのでは?』
・・・
・・・。
「緑の家」では夏期は24時間エアコンによる家中空調をお薦めしているが、
このブログの読者さんにはおなじみの築100年住宅の断熱が殆ど入っていない「て・こあ」では、夏は通風住宅としてご案内している。
ところが・・・
梅雨明けした昨日は、来客さん8名で管理者と私で10人集まって数時間の談議をしても・・・
なんと窓は閉じたまま・・・。風を入れません。
6年目にして初めて行ったこの実験的過ごし方・・・
皆さんが15時にお帰りになるまで、真南の一番の大きい窓を開けることは・・・無かった。
そして家の中では「暑いね」という言葉はなかったし、外から入って来る人は「涼しいね」と言って入って来た。
これには訳がある・・・。
実は昨日の気温をみると・・・
確かに昨日梅雨明けしたが、気温はまだ真夏の熱帯夜ではなく明け方は22.5度まで下がっていた。この下がった気温で「て・こあ」内の室温は25度くらい下がっており、壁も床も24度ほどで冷蓄熱された状態だったこと。
2つめの理由として管理者が朝来ると今まではすぐに全ての戸を開け放してカビ臭を飛ばす行為を最優先させていたが、今期の梅雨は雨が少なくカビ臭が抑えられていたので、窓開けの行為を朝だけ行って止めたこと。
3つめの理由は扇風機の多用と天井高4.5mの和室の天井裏に昨年暖房用に断熱材を100mm敷き込んだことで屋根の熱の影響が少なくなったこと。
この3つで通風無しで昨日の真夏日を大人10人過ごしても問題なかった。
これって凄い事で・・・
新潟の夏の気候が、長野県等の内地で高地(標高200m)と同じように真夏でも明け方は20度くらいになるのであれば、断熱材なんて関係なく家の大きさと立地の良さで過ごすことも可能。快適かと言えば24時間空調の「緑の家」とは次元が違うが、最近の家のような熱も籠もった感がなく過ごしやすい。実際お越し頂いた方からは、
「えーやっぱり古い家って暑くならないんだ~。今日うちなんて窓開けていても暑いよ」
との会話がちらほら・・・。
古い家っていう大きな条件くくりでの会話だが確かにそのとおり・・・。
実は・・・「て・こあ」は窓を全部閉めていたわけでは無い。
1階はコンクリートで囲まれた南側と、東側の窓は全閉し、北の窓と西の窓は開けていた。2階は南北の窓の一部を開けていた。
これは意識的にそのような状態をつくったのであり、夕方まで常に外気より1度以上低い室温を維持していたと思われる。この1度でも夏は大きな満足感。
南は日射によってコンクリートの温度があがりそこには温風が生まれる。しかも強烈な輻射熱をともなって・・・。
北は山があり、日射が強ければ強いほど下図のとおり冷風が生まれる。
これは以前説明したこの図のとおり。
じわじわ温度が上がるが、北側からの冷気が少しずつ入り、ゆっくり室温があがることや家が大きい(100坪)ので窓からの輻射熱が人まで届きにくく、更に本物の土壁やわら床の本タタミのような吸湿材で且つ大きな冷蓄熱量を持った素材で囲まれているから、人が受ける温度の高い輻射熱が少ない。
但しこれは上の条件が全て重なった時。何時も出来るとは限らないし、何時もの年のようにかび臭ければ窓開け優先かもしれない。
だからこそどんな状況でも快適性が安定して安価で得られる超高断熱高気密住宅の24時間空調をお薦めしているのである。
そんな事もありお昼は冷物でもてなす。炊きたてのご飯も用意したが、そちらも殆ど完食。夏ばて知らずの「て・こあ」。
このように夏の環境は冬と違い周囲と家の状況に大きく作用される。
真夏でも通風した方がよかったり、通風しないほうが良かったりするが、日射はいつでも確実にシャットアウトし家や気温、湿度と会話しながらその日の設えをする・・・。
そんな日本家屋が昔のデフォルトであったが、今は防犯上と家以外のことが忙しいので閉めっぱなしがデフォルト。
特殊な条件(地域)の家を引き合いに出して通風で過ごせるとか、通風しないでも涼しいとか・・・は意味がないことと、この「て・こあ」は教えてくれる。
ホントにこの断熱材が入っていない築100年の当時の民家「て・こあ」からは何故か超高断熱高気密の学びが多い。大変、大変ありがたい事である。
PS
風は写真でわからないので、明日までに動画をユーチューブにアップする予定。面白いくらい違う南北の風。