誰もが使う透湿防水シートは・・・危険か?

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タイベックには申し訳ないが、使っている透湿防止シートはタイベックなのでこの写真となる。

透湿防水シートは今や一戸建て木造住宅のほぼ全部と言っても良いほど採用されている外壁の下地材。この透湿防水シートが2次防水となり雨水の侵入を防ぐ。

ところがこの透湿防水シートは35年前に新潟県で使われ始めてから何度となく問題が指摘されてきた。特に・・・熱劣化と現場塗り防腐防蟻剤による劣化では大きな汚点がある。

その透湿防水シートの再び問題が指摘されている。

日経ホームビルダー8月号の表紙写真

2018年の8月の日経ホームビルダーによると・・・

現場で塗る防腐防蟻剤ではなく、工場で既に木に塗られてきた防蟻剤でも雨に濡れた物が透湿防水シートにふれると劣化が急速に始まるとの事。

日経ホームビルダー8月号の記事写真

しかし防腐防蟻剤の胴縁が雨に濡れずに外壁が貼られる確率は高くない。特に新潟県の冬期(11月から3月)は、二日に一日は雨模様。仮にこの雨にふれさせず施工出来たとしても・・・

透湿防水シートの役目は2次防水。つまり一次防水が破られて水が侵入してきたら濡れることがあたりまえ。つまりその時にも急速劣化のリスクがあるという不思議な事になる。ホントにそれでよいのか?

「緑の家」だって防腐防蟻剤使っているでしょう?

との指摘を受けそうであるが・・・

「緑の家」では、基礎が1m有るので防腐防蟻剤を基本的には全く使わない。透湿防水シートの無い基礎部分で使う事がAグレードではあるが、透湿防水シートに触れる事はない。

私は・・・

この透湿防水シートをあまり信じてはいない。

それはこの事件があってから。

だからこのような高機能を持つ化学的なシートは基本的に避ける。これは内部に使う可変透湿抵抗型の高機能気密シートも同じ。分子レベルの構造で水分のガス(蒸気)だけを通し液層の水は通さないコントロールをするなんて奇跡の仕様だから、わずかな因子でその機能が崩れる事は想像できる。よって・・・

例えば外壁の一次防水は木の外壁の時には、すぐ裏にくる2次防水は防水性のある(透湿性は考えない)ボードやアスファルトフェルトを使っていた。

この黒いのがアスファルトフェルト。この下に通気層がありそこに透湿防水シートが貼られる。

アスファルトフェルト直上に木の外壁が貼られるところ(モイス準防火仕様時)

この黒いアスファルトフェルトは数十年前には屋根の防水紙として使われていた。熱による劣化には大変強く、紫外線にはよわい。紫外線さえ防げば熱による劣化はとてもゆっくり。だから建物で80度近くにもなる一番過酷な屋根金属や瓦のすぐ下に接して使えるのである。ところが透湿防水シートは熱にとてもよわいから屋根下地にはつかえない。外壁でも通気層を挟んでしか使えないである。そんな事をうえの事件で確証を得たので・・・外壁のすぐ後ろの防水シートには透湿防水シート(タイベックなど)は使わないのである。

ところがそれを知らない人は・・・

日経ホームビルダー8月号の記事写真

通気層を挟まない外壁直下に使うことがある。しかも一番重要な隅柱のところで。

その記事が日経ホームビルダー8月号にのっていた(興味があれば購入を)。

これは想定外な使い方なのか、それとも勉強不足なのか?

少なくともこのような新しい建材は少しでも使う条件を外れると大変な事になる。今の透湿防水シートは「タイベック」(商品名)が先行単独販売し、何回かの大きな失敗で現在の水準までになった。ようやく安定した建材になったかなと思った矢先のことだった。

外貼り断熱で柱と土台まですっぽり覆う。断熱材のフェノバボードは水濡れ平気な安定素材。

さて・・・「緑の家」は事務所設立以来外壁の断熱材は「外貼り」である。一方巷に多い高断熱工法はGWやロックウールを使う充填断熱である。私はいま胸をはれることがあれば、この外貼り断熱材の仕様の件も大きい。外貼り断熱材の良いところは水に対し抜群の耐久性があるということ(長時間水が乾かなくとも平気)。外貼り断熱材を丁寧にはれば3次防水にもなる。特に透湿防水シートが劣化した時の最後の砦となって構造材の柱や土台を守るのである。また現在問題になりつつある蒸し返しによる壁内結露(夏型結露)に対しても防止効果が高い。これは構造材に日射熱が容易に届かないので、構造材付近での蒸し返しがないのである。一方充填断熱での透湿防水シートは今回のようなちょっとした想定外で透湿防水シートは劣化し、GWやロックウールに水がたまり柱や土台の腐朽を手助けをしてしまう。

「緑の家」が防腐防蟻剤のケミカルを嫌い、そのため全ての基礎を高くし、また全ての家で外貼り断熱を行い構造材を守ることになったことは我田引水ではあるが、この21年間の事実である。

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