超高断熱の大野町の家 外壁U値は0.11w/m2K

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Aグレードの壁断熱。フェノバボード60mmの一層目。2層目フェノバボード60mmはこの上から外張りで熱橋防止を兼ねる。

昨日、超高断熱の大野町の家の外壁断熱材一層目貼りあがりをチェックしてきた。

綺麗に貼られたフェノバボード60mmの1層目。しかし建て主さんの指摘で1箇所隙間が6mmで長さ50cmほどあったので一枚張り替えた。

まず大野町の家はAグレード「緑の家」であるため外壁のU値は0.11w/m2Kとセルロースファイバーという断熱に換算すると400mm相当になる。これを225mmの厚さで行える設計が「緑の家」とポリシーである高性能を一番安価での実践結果。

壁厚が厚くなれば、それを支える木材や、窓枠にかかるコストが大きくなり、断熱材自体が安価でも周囲の下地や仕上げにお金がかかる。これでは本末転倒になるので断熱材として最も高価ではあるが性能が一番高いフェノールフォームを使って壁をつくる(内部は充填GW120~105mm)。

樹脂板状断熱材は古くから長期間時性能劣化が大きいと言われているが、既に15年以上前にその経年劣化のダウン率が省エネマニュアル本に記載されており(指針なので法的な根拠はまだない頃の情報)、一般的にはその数値が使われる。↓がフェノバボードの表となるがここからわかるとおり、25年経たフェノールフォームは当初の断熱性能に対して91%性能となると表記されていた。

自身を棚上げして人のことは言えないが、この表の「25年度」は「25年後」の誤記だと思う。この図はフクビさんのフェノバボード説明からの転載。

この9%ダウンをみると大きいように感じるが実はこれは感覚的であり、当初の0.019w/mkから0.021w/mKと0.002w/mkにしかならない。

一方「緑の家」でも使用するし、日本で最も多く使われる断熱材とGW(グラスウール)が有るが、こちらは断熱性能の性能劣化は一般的にないことから比較すれば確かに気になる。しかしGWは配線や配管、間柱、筋かいなどで当初から数%性能が落ちる可能性が高いのでそれを差し引けば同じと考える。その後25年つまり50年後には流石にGWの方が安定していると想像するが、当初の25年が同じくらいのリスクと考えている。それでも「緑の家」は更に安全率をみてフェノバボードのλ=0.019w/mkのところ計算では25年経過値の0.020w/mkで計算しているので、実際は当初から25年まではその平均断熱性能になっている。

「緑の家」の壁部位断熱性能計算シート。このエクセルファイルを国の審査機関に提出している。

これを裏付けるように・・・このフェノールフォームで最大手の旭化成のネオマフォームでは公的に定められた実験値を正式発表しており、それによると25年後の性能劣化はやはり8%くらい劣化があるがそのλ平均値は0.020w/mKと「緑の家」計算値と同じ。つまり「緑の家」では25年平均のλ(熱伝導率)を使っている。

何時も思うが、「緑の家」って常に15年以上先をみつめている事が自慢。今回も15年経った時に裏付け国認定の試験方法での結果が世の中に出た。

話は変わるが・・・

既に読者の皆様はドライブレコーダーを設置していると思うが、事務所の一番近い大きな交差点でもこのような看板がたっている。ドライブレコーダーが有ればお互いの言い分の食い違いは少なくなるのに・・・と見る度に何時も思う。

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