提言15　お風呂、トイレに窓は要らない！

「緑の家」では最近半数の家でお風呂場に窓がない。トイレの窓無しは半数以上になる。

お風呂及びトイレの位置として一戸建て住宅では9割くらいの確率で外周付近にプランされ窓を設ける。一方マンションではお風呂に窓がある割合はほぼ1割以下であろうし、多分トイレに窓があるのはほぼ0％ではないか。ある程度高級なマンションでもお風呂、トイレに窓が設置されることはないが、売れ行きに問題はない。お風呂やトイレに窓があるよりも他の部屋が明るくなった方がよいと考えるからである。

「緑の家」で積極的に窓を設けている場合もあり。柏崎T邸のお風呂。

実は・・・
「緑の家」では風呂やトイレに窓を希望されない方が増えている。アパート、マンションでは上の物理的要因でお風呂やトイレの窓が無いが、一戸建て住宅は違う。どのような観点から窓が無くなっているのだろうかと少し考える。

「緑の家」に住まわれてから2年目の点検時に

「お風呂やトイレの窓を開けたことがありますか」

と伺うと

「まず無いね。もしかして引っ越しして最初の一度開けてからその後開けた記憶は無い」

とお答えになる方がほとんどである。

一方昨日案内したお風呂CF（循環ファン）と相まって窓の用途は既に通風、換気では無くなっている。となると、窓の目的は採光となるが、元々お風呂の窓を大きくする方はすくない。その窓の明るさだけでは、日中の入浴でも照明をつけることが多いはず。それよりも日中にお風呂にはいる回数がほとんどないだろう。

では何故窓をつけるのだろう。

１.感覚的なもの、閉所恐怖症

２.照明につかう電気代がもったいない

の2つと思われる。１はもう仕方ないとして２を少し計算してみる。

お風呂の窓は大きさ0.5m×1.0m＝0.5m2でUw値は1.4w/m2kと高性能樹脂サッシペアガラス。また今や照明はLED（7w）でその器具寿命の長さから電気代だけで考えてもよいとする。
お風呂場は平均23度として冬の熱損失を算出。冬期の室内外平均温度差15度として窓がある事で逃げる熱量を算出。壁はU値は0.18w/m2k。すると冬期3ヶ月で20kwhの熱が壁よりも多く逃げる。これをCOP4のエアコンで補うと5kwhの消費電力となる。一方窓が無いことで日中照明をつける時間が一日2時間365日とすると一年で1.5kwhの電気代がかかる。
窓があると５＞1.5で3倍も多く電気代をつかう。

つまり冬期だけを考えると窓がない方が電気代としてはお得になる。しかも窓がなければ壁で掃除が複雑な部分がなくなり簡単。しかも防犯上もすぐれている・・・。仮に照明器具の交換代が発生しても窓の設置値段で相殺できる。また中間期と夏期はほとんど電気代に差が無いので無視。これはトイレでも同じような傾向になる。

このように過去の家とは違いお風呂場も暖かい超高断熱高気密住宅では常識がかわるのである。

なろほど、確かに感覚的に窓がほしいという方以外「お風呂の窓」は必要無いかも・・・。

過去14の提言があるが今年は提言15として・・・

「電気代を考えた時、お風呂場、トイレの窓はない方がよい」

になる。もしお風呂、トイレに窓が必要かな？と迷っている方は「お風呂、トイレに窓は必要無い」と申し上げる。当然感覚的に窓が必要な方が一定数いる事も否定はしない。