ここ数日で頂いたコメントを読んだり、ネットで検索したりすると今の住宅業界に正しい情報が伝わっていないことがわかる。
高断熱高気密を設計施工している関係者さんなら、
「HEAT20」って知っているだろうか。
ちょうど一年前にG3基準が提案されたと記事にした。それって知らないのかな~と言いたい。下の記事である。
更に高断熱高気密の高見を目指すHEAT20が提案したG3基準には、明確にプラ系断熱材での付加断熱が標準仕様として提案されている。この記事内で私は・・・
11年前から付加断熱はプラ系100(120)mm断熱だけを使い続けてきた設計者としては何かむくわれた気持ちになる。付加断熱といえば新潟県では繊維系断熱材が大手を振って闊歩しており、プラ系外張り100(120)mmは異様な目で見られてきた。結露問題や言われもしない火が怖いとの非難でね~。 そして何故プラ系断熱材がここに代表列記されるのか。
2019年9月の「緑の家」ブログから
当たり前!イニシャルコストを中心とした全体俯瞰で見たときに一番合理的な方法であるからだ。壁付加断熱は繊維系ではなくプラ系が今後の超高断熱壁構成のメジャーとなる。
従来の高断熱高気密推進してきた有名団体さんとは違い、HEAT20 では多くの委員さんが集まって物事を決めるのでより公平なジャッジが出来る。委員さんをみると実はR2000の頃からこの分野に関わって来た先生方が多いのも良い。
さて私がこんなことを記事にするとかならず、
「建て替えで壊した家を見ると、構造用合板が腐っていたり内部結露していた跡がある。これが事実だ。」
との意見があるが、
昨日のコメントにかいたとおり、
元々充填断熱型の高断熱高気密は北米のR2000が始祖とも言われるぐらいの大きな影響をもたらしたことは誰も否定できない。このR2000は構造用合板を外部に持つ2×4工法である。当時R2000がなぜ異常すぎるほどの気密性を基準にしていたかは、防湿層の正しい施工による内部結露防止のため。つまりそのくらいの防湿性能=気密性能がなければ構造用合板とOSBしかなかった北米では高気密高断熱は無理だった。内部結露防止を当然考慮し気密性能を確立した高断熱超高気密のR2000。その外部は構造用合板でありこれは現在も変わっていない。このことを最近勉強し始めた建築関係者さんは知らなすぎる。あの北海道と同等か寒いカナダにおいて構造用合板で結露しないくらいの気密性が当時のC値0.7cm2/m2以下である。今まで日本ではその気密性が施工できなかったので、国内では構造合板より透湿抵抗の低い新建材による耐力壁が闊歩していたのである。本来は正しく防湿を発揮させること。気密性=防湿性が確保されれば内部結露はコントロール出来る。
そこで話が戻るが、その結露跡の残る解体された建物はR2000並みの気密性があった建物なのか?この条件が変われば内部結露をおこすだろう。当たり前のこと。R2000並みとはC値では約0.7cm2/m2以下と言われる。元々R2000が発展しなかったのはこの気密性能確保が難しかったことが大きな一つの原因。しかし今では正しく気密施工を行えばこのC値0.7cm2/m2以下は比較的簡単に実現できるし、事実「緑の家」ではどんな施工会社さんでも0.4cm2./m2になる。その上、付加断熱が始まった現在では合板の温度が上がるため内部結露対策には更に有利になった。24時間換気を行う事で適切なRH(相対湿度)の環境も同様である。
それについては2017年の建築技術1月号で本間先生がはっきり書いておられる。
以前から申し上げているが、構造用合板を耐力壁に使用するのは、今や世界基準であると思われる。構造用合板の持つ釘保持力と耐衝撃性(金槌で打ち損じた時の衝撃)は新建材合板では達成出来ない性能である。確かに透湿抵抗は高く、気密性の確保が必須であるが、元来超高断熱と超高気密はセット。超高気密性は内部結露だけでなく換気等からでも必須であるから特に問題ではないはず。
次回は何故か壁では構造用合板を避けるのに、同じ構造用としては重要なある部分には躊躇なくつかう・・・所謂ダブルスタンダートであるこの考えは理由がはっきりしていなければNGだと思う。それは次回のブログで紹介したい。
下は構造用合板とモイス、ダイライトのことについて書いたブログである。↓