その1で紹介した報告書のこの文・・・
これだけを見ると、
現在の法律で決められた接合部が弱いの?
との誤解を受けますが、前文をしっかり読むと、接合部の設定された金物が法律どおりでなかったこと(設計の瑕疵)と、設計で正しく決められた接合だったにもかかわらず、正しく施工されていない(施工の瑕疵)の2つになります。
つまり現在の法律どおり設計されていないこと、また設計は正しいが施工が間違っていたとの事です。
これって建て主さんから見ると大変衝撃的です。
つまり現在でも法律どおり正しく建てられていない建物は12棟中1棟はある!
と言うことです。
しかし実務建築士から見ると
12棟中1棟のはずがない!もっと法律を守っていない建物があるはず・・・
となります。特にロフトや小屋裏収納付などは・・・。
何時も申し上げているとおり、
正しい設計と正しい施工が倒壊という悲劇から回避できるのです。
話は変わりますが、
免震装置付の建物は概ね大きな被害から回避できておりますが、それでも破壊された建物部分があるとの報告されております。一度破壊された免震装置付の建物は修繕すると初期の性能に戻るのでしょうか。小破壊でも免震装置付建物は微妙なバランスで成り立っているはずですから、再び同じ性能に戻る事はまずあり得ないでしょう。
震度6強以上をうけ中破以上の建物(住宅)は、直すより10年以内に新しく建て替えのほうがお金が無駄にならないと私は考えます(高気密住宅)。
一方、一度震度6強を受けた地域(直下型)はしばらくの間は大きな地震がこないとの事ですから軽い修繕だけでもよい・・・そんな悩む時間を作るためにも大破させない耐震等級2以上の建物が必要です。
免震建物の被害報告書はこちら↓
http://www.nilim.go.jp/lab/hbg/kumamotozisinniinnkai/20160630pdf/20160630siryou10.pdf