高岡赤祖父の家 再耐力壁検査

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公園側に2つのコーナーサッシを持つ高岡赤祖父の家。

富山県に建設中の高岡赤祖父の家の耐力壁検査に伺ってきた。2週間前にも行っているが、その時は釘のめり込みで今回の再検査となった。

本題の前に・・・

正しい理解と進歩のため益々このチャンネル再生数が増えるといいね・・・と思う。

先回ご紹介したJJJチャンネルの再生回数が伸びている。2年で116回だった26話であったが、4日間143回増え259ビュー。ビューと再生回数の定義はわからないが、少なくともこの数日間で多くの「コア」な人が訪れたのであろうから、このような価値のある情報と判断し、その人達がまた宣伝して再生回数が増えることを期待したい。内容は前後4シリーズの回を通して見ていただければわかるが、家の性能は温熱性能(高気密高断熱)を支える耐久性という土台の性能があって初めて価値のある性能になることを、環境系の学者が腹を割って話している。これは単に内部結露だけの話ではない。窓の傷み、メンテもそう。

さて本題である。

一枚90本釘がある耐力壁28カ所の確認してチェックする。

耐力壁を一枚一枚目をこらして見る。釘が2度打たれているので目がちかちかするが、施工者さんの勘違いによるさらなる改善指摘は再びあった。それでも釘の本数分だけ耐力は増える面材合板だけに、著しいミス以外はほぼ耐力に問題はないだろう・・・との判断で行った。

2階の耐力壁と柱は少なめのため、梁が太く桁上厚物合板28mmで水平面を固める。

内部の筋かいも悪いところは取り替えられておりこちらはパーフェクトである。赤祖父の家は耐雪1.5mで耐震等級3なので耐力壁は内部でも多く必要であるが、それでも減らすために桁厚物合板(24mm以上)を貼っている。そこでこのブログでも申し上げたとおり、断熱層の外側に厚物合板をはると内部結露するので「緑の家」では必ず合板に耐力に影響のない穴をあける。

写真では白矢印のところに穴が見える。実際はこの倍穴があいている。

桁上合板をはる家はたくさんあると思うが、このように合板に穴をあけていることを伝えている施工例をほとんど見たことがない。穴を開けていない設計において内部結露計算での裏付けをしていると信じたいが・・・どうなのだろう。

赤祖父の家も清五郎の家も同じであるが、建て主さんから

「出来るだけ窓はFIXを使ってください。」

と言われて設計しているので普段あまりお目にかかれない大きなFIX窓がある。同じ時期に同じご要望があるのは最近FIXが流行してるのだろうか。
FIXは見た目はとてもスマートになるが、外部日射遮蔽がし難いことで無難になることはない。そのため日射遮蔽が無難に出来るところだけFIXとなっており、具体的には1階の窓がほとんどFIXで、2階はやはりドレーキップが中心となる。

公園側に面した吹き抜けの1階の窓はFIXである。

確かにスマートである。この窓は外部から脚立で日射遮蔽と汚れ掃除を行う予定である。

FIXはスッキリとするが、外側掃除方法をあらかじめ予想しておく。

1階の食卓の窓もFIXである。

2階個室窓が熱反射タイプで1階ウッドデッキ窓が高断熱タイプと使い分けている。

2階の窓はドレーキップで有り、その窓から手が届く範囲でFIXが2階にも使われる。冒頭お伝えしたJJJチャンネル26話でも触れているが、メンテナンスしやすいことが耐久性につながる。その意味では窓も同様で普段のガラス拭きができなければストレスがたまる。

一方床下エアコン暖房を行うため「緑の家」では断熱材が相当厚く、λ=0.018w/mKクラスの断熱材を120mm貼ることは12年前から変わりなく全棟で行われている。

床下の断熱材貼りは1階床が出来てからも貼ることが可能なので、大工さんが床下、1階、2階と3カ所に分かれて作業していた。

60mmをダブル貼りする「緑の家」。床高が高いのでこのくらいしないと熱が多く逃げる。Aグレードなら更に外側に50mを施工する。

上の写真をみて

「最近の木造住宅はこのような木だけの下地は見なくなった。最近は建材壁が多くなったので白だったり、メーカー名の印刷が目立つ壁だったりするね」

と思った。これら木が過去30年間において今は最も手に入りにくい事が一番の問題である。

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コメント

  1. Asama より:

    ずんが様
     
     このような正解のない質問には答えることは意味がありませんが、無返答は私どもにご依頼された遠方の依頼者にたいして失礼になるので一言だけ・・・

    数値や法的根拠のない価値観は人それぞれで、どれが正しいなどと決めることはできませんのでそれぞれで良いでしょう。

    • ずんが より:

      ご回答ありがとうございます。
      ということは、御社では依頼があれば、少々遠方でもお仕事を受けることができるということでしょうか。ホームページから対応エリアを読み取れなかったので、疑問に思い、こちらに書いてしまいました。

  2. ずんが より:

    御社は新潟の会社だと思いますが、緑の家は他県にも建っています。
    私も新潟県ではありませんが、御社の考え方に共感し、将来このような建築事務所で建てたいなどと、憧れをいだきます。
    しかし、いざというとき(水漏れ等のトラブル)設計担当者の駆けつけが遅くなることから、1時間以内の建築事務所や工務店で建てるべきという話を聞きました。
    また多くの工務店は、対応エリアを1時間以内に絞っています。
    ブログの内容と少しずれますが、このあたり、どうお考えでしょうか。
    (新潟・富山なら高速で1時間以内?)