メンテナンスから考える「無難」

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Aグレードの断熱性能のため、庇が全ての窓に取り付く。これは「緑の家」の大きな特徴。

模型を無事受け取ったとのご連絡を頂いた。今回の「緑の家」は2階が1階に比べ小さいので一枚の屋根で覆うために上のような招き屋根としている。

5年ほど前から「緑の家」では「無難」を目指している。無難とは6年前のこのブログで紹介したとおり

「欠点がないこと、とりたてて非難すべき点もないが、さしてすぐれてもいないこと。危険の無いこと。また間違いのないこと」

のこと。世の中この文で「さしてすぐれてもいないが」ばかりが大きく取り上げられるが、その後文の「危険のないこと、間違いのないこと」は、住まいの基盤である。

「緑の家」をご提供してから早23年が過ぎて、オーナーさんはそろそろメンテナンスを考える時期になる。最近頂いた連絡では、ペアガラスの真ん中で結露して交換したいとのご依頼があった。以前から申し上げているように、シングルガラスでは半永久のガラス性能であったが、ペアガラスとなることで寿命が生まれてしまった。自邸の樹脂サッシのペアガラスは未だ健全であるが、YKKエピソードという樹脂とアルミの複合サッシで使ったペアガラスは、内部結露率が高い気がする。確かこの頃からYKKさんはペアガラスを自社生産にしているとの情報があり、大手ガラスメーカーから自社製品になったことで耐久性が不安定になったかもしれない。この当時のペアガラスはこのような内部結露率が高い。

以前紹介したペアガラスの内部結露。

私が原則輸入サッシを使わない理由もここにある。輸入したサッシが10年後内部結露起こした時に、国内の代理店がもう取引を行なっていなかった場合は、とても面倒なことになる。それは結局建て主さんのリスクとなるので輸入サッシは信頼おける代理店(長年の実績豊富であること)さん以外は使わない。

さてガラスの取り替え金額であるが、今回の場合ペアガラスで且つビートが取り外しやすいアルミと樹脂の複合サッシのせいか、以前より安価と思われる。

巾500高さ1250mmの縦すべり出しでペアガラスの交換が材工17000円/枚であった。ガラスは大きさが肝心であり大きくなるととたんにコストが跳ね上がる。小さい国産サッシのガラスの場合は、この程度で交換可能である。

トップライトのある玄関ポーチ

私が「無難」を目指しているのが、屋根上のトップライトのメンテナンスから始まっている。トップライトは新潟の暗い冬において、居室に異常なほど明るい状態をつくるためには大変素晴らしい仕様なのだが、メンテナンスが大変になる。

昨年ご案内したトップライトメンテナンスのご案内文

このため13年以上前からトップライトは避けてコーナーサッシをはじめとする吹き抜けの大開口で明るさを確保する手法に変えている。

吹き抜けの大開口部から光

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