長野県諏訪郡でUA値0.16w/m2kの超高断熱である原村の家の地鎮祭

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タイトルのとおり長野県諏訪郡でUA値0.16w/m2kの超高断熱である原村の家の地鎮祭が昨日執り行われた。

雲に包まれる長野県の山々。

天気予報では雨だったので濡れることも覚悟して出かけた。片道290kmではあるが、朝5時30分に出発しているので道は比較的空いており私一人でなんとか約600kmを往復できた。県境では深い霧がかかり初めて長時間リアフォグも点灯する状況になるほどの濃霧高速運転。その後長野県に入ると雨を暗示するような雲がかかる。

原村の家は、実施設計を始めたのが昨年の2021年3月ごろで、まだウッドショックが始まる事を知らない時であった。一方実施設計を終えた6月の頃には既にウッドショックで異常な木材価格になっており、また長野県の軽井沢周辺、山梨県の清里周辺でコロナ禍の在宅ワークの影響もありこの地域は建設ラッシュとなった。清里は八ヶ岳連峰を挟んで今回の原村にちかく、そんな時期に見積もり依頼を建設会社さんにおこなったためか、予定金額を大幅に超える異常な価格を提示する会社さんもあった。困惑しつつ数回の相見積もりを行なった。その中でこの状況化ではなんとか妥当と思われる価格提示をされた「スワテック建設(株)」さんに決まった。それでもウッドショック前の予定金額より30%も高い・・・。

到着時は明るい雲がかかる程度。

雨の心配のなか現地に到着すると、なんと雨はやんでおり視界も良好。さすが晴れ男を自認するだけある。

30分もするとたちこめる深いガスで映画のセットのようなかすんだ木立の風景。

しばらくして地鎮祭が執り行われるころには、ガスがたちこめ神事にふさわしい映画セットで使われるドライアイスの煙のような状況に一変した。地鎮祭最中はこのような霧がかった肌を洗うような空気の中で行なわれた。そして地鎮祭が終わると同時に水粒となり、それが次第に小雨に変わる。

地鎮祭が終わると霧が深くなりフロントガラスにはそれが水滴に変わる。その後しばらくすると雨になった。

こんなドラマチックな出来事はまさしく神の国「長野県諏訪郡」と感じた。一方で、この標高1000mを超える原村でもこの標高1300m原山(現地名)の晴天率は高く、1000mの原村が曇っていてもこの原山はぽっかりと晴れ間がのぞくとのことである。そんな土地に建てるUA値0.16w/m2Kの超高断熱の家が楽しみである。

つややかな鹿の糞。これが敷地内の至る所にある。匂いは殆どない。

こんな神がかり的な自然環境を持つ原村の家だが、実は自然環境と調和するように考えたのではなく、「自然との調和」を更に現実的に解釈して「自然との共生」としている。これは建て主さんが既にこのような豊かな自然環境で20年以上暮らされている達人で本当の自然との共生が、「自然は美しい・・・しかし一方では厳しい生物同士の縄張り争いの場である」と知っている。このため外壁はこのような自然と最も似合いそうな木でなく、最も自然と縁遠く耐久性も高く堅く凍害もないSGLを選択された。この外壁の考えは私にとって新たな学びとなった。そしてそれは地鎮祭の時に身をもって体験した。地鎮祭前に「コツコツ」と上のほうから音がするので振り返ると・・・キツツキが2匹いて敷地内にある木の幹をつついている。木の外壁は彼らの格好の的になるのである。「て・こあ」でもキツツキで穴はあくが、その攻撃数が尋常ではないとのこと。また地鎮祭後に建て主さんから「敷地に鹿の糞が大量にあって・・・」といわれた。私は鹿の糞を認識出来ないので教えてもらうと、敷地内の至る所に糞が落ちており、それが今日か昨日の糞である事は私にもわかる。

生活の主空間が地面より2.5mほど高く、ツリーハウスのように浮いていることで他の生物からの侵入を拒む形態。この基本構想は建て主さんである。外皮は金属とコンクリートとガラスという人工素材で覆う。外部バルコニーもガラス戸で完全閉鎖可能とし半内部化できる。

この短時間滞在だけでも自然との共生では生き物同士が縄張りを主張しあい、その中で暮らすことを求められる事が実感できる。電気などの防護柵もなしに菜園などあり得ないし、虫、鳥からの防護は無論、氷点下の対策も確実に行なう必要がある。そんな積み重ねをして暮らすことが周囲からみると自然との共生になると私は考えている。つまり(自然・天然環境の美しい所で建築する)住宅は外界との完全隔離(高シェルター性能)があって初めて自然との共生ができ調和を楽しめる。

まさしく無難を形にしたシンプルな外観。道路側は必要最小限度の窓が均一に並ぶ。けらばの出寸法は1600mmの切妻屋根。シャッターのない家族玄関&ガレージも考え方では無難といえるかもしれない。

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