頑強な高基礎

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ピンク矢印の部分にRV車(4駆)が衝突した。14年ほど経過して周囲土が下がったせいか地覆際が見えてしまっている。2022年6月25日撮影。

少し前、ある「緑の家」のオーナーさんからご連絡を頂いた。内容は「車が家に突っ込んで壊れたのでどうしたらよいか?」であった。

南蒲原平野と弥彦山を見る。光の具合は既に秋。

8月19日の日射は、夏至から見ると色温度や影のでき方が4月24日くらいの日射に相当しているので、既に秋の空に見える。そんな秋空の中、車が突っ込んで補修が始まった「緑の家」にお伺いした。

15年ほど経過しているモルタル左官塗りの外壁に車が追突。けが人もなくこれだけすんだのは不幸中の幸い。6月25日撮影。

詳しく伺うと、ご近所の方がブレーキとアクセル操作を誤り、急発進したのち50mくらい蛇行して空き地から「緑の家」のお風呂の壁に突っ込んだとのこと。びっくりしたのは道路から車が突っ込んだのではなく、空き地である隣の土地からやって来たと言うこと。

車は頑強なRV車だったのだが痛みが酷いので廃車。家は写真のとおり基礎が少し色が変わり、外壁下部の一部が壊れたくらい。これがもし通常の地面から400mm程度基礎だったら、外壁を破り浴室に入っていたか、柱を折っていたかになると思うが、ちょうど土台と基礎が細かく入っている風呂場だったので、基礎にはヒビさえも入っていない。この「緑の家」は基礎高は900mm有り一般の400mmより500mmも高かったので、バンパーポイントが高いRV車でも基礎で衝撃を受け止める事が功を奏したと思われる。

外壁も僅かに壊れたのでたいした補修はないと思われたが、実はこの外壁はモルタル塗りの一枚物である。ここだけ補修する事もできるが、色や見え方が変わったするので、この西面全て塗り直しになった。

この面は全て塗り直ししないと色斑がでて目立つので全取り替えとなる。8月19日撮影。

またお風呂場もUBではなく従来施工の左官で仕上げた風呂のため、防水層にヒビが入っていても気がつかないので、こちらも床全部剥がして防水層の取り替えとなる大事になった。よって一時的にお風呂は使えないので、臨時風呂場を倉庫内にまず最初につくっている。

ピンク矢印が臨時設置の浴室ユニット。

この修繕費用は保険で賄われるので特に問題無かったが、もし先方の車が任意保険に入っていない場合は、結構大変な事になるため自車には無保険車の特約も大事なオプションだと思う(車対車のみで家には対応していないが)。

内側の在来施工のお風呂を撤去し構造材を露出させた。一番下の染みは今回の件と関係なく、FRP防水時の液漏れのようだ。

外壁を剥がしている最中に少し気になったところがあった。それが下の写真の部分。

腐蝕しているザラ板。

今回の外壁構成は
・表面塗装・モルタル・山高ラス・タイベック・ザラ板12mm・通気層18mm
・ネオフォーム(気密テープ有)・柱・PB・AEP
であるが、ザラ板の一部が腐蝕している。まだ壊していないので原因は不明だが、窓がないところは正常のように思えるので、窓とモルタルの隙間から雨水が染みこんでそれが何らかの原因で腐蝕させたのではないかと思う。まだ特定はできないがこのような場合やはり窓上の庇があると良いと思う。また窓周囲のシーリング切れも含め、メンテナンスは重要でもし隙間が開いたならシーリング等で埋める必要がある。

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