「緑の家」では原則窓サッシは全てドレーキップを計画する。これは20年後の気密を維持する事を考えているからである。
井岡の家では完成気密性能C値は0.26w/m2kcm2/m2であり超高気密住宅と言える。しかし巷では一般的なサッシの引き違い型を多用すると、20年後には引き違いサッシのゴムパッキンが経年変化で弾力を失い、サッシから隙間風が入るようになり中気密住宅になってしまう。折角高いコストをかけて超高気密住宅をつくったのにそれでは悲しすぎる。この時、ドレーキップ型ならパッキンが弾力を失っても気密を維持できることが多い。詳しくは過去のブログで案内しているのでご覧頂きたい。
さてそのドレーキップ窓だが、時折ガラスの入れ違いが発生する。今回も遮熱型のガラスと高断熱型のガラスで一箇所取り違いあった。上はそれを交換しているところである。何故ここまでガラスの取り違いの発生が気がつかないかというと、足場外れ天気が良いときに眺められるという条件が重ならないと色の違い気がつかない。サッシの受け入れ時には大きくシールで表示されて正しい製品か確認しているが、その後の取り付けしてからは確認しない。このため最後に外から眺めた時に間違いに気がつくことが多い。
さて内部であるが、先ずは床下。
最近では定番になっている床下内の分電盤と情報系の集中。今回は光ケーブルが2本引き込まれる。これは村から有償で提供される地上波TVネット網と一般の光ネット線の2本。更に村からの有線集落情報の引き込み線があるためいつもにもまして配管、配線、プレート類が多くなる。
先日ブログででた話題のCAT.6Aのジャックとケーブル。最近は有線光ネットより携帯電話の無線5Gのほうがスピードが速く※、これが更に加速され15年後には光ネットの家庭用有線イントラネットは特別な場合しか使われなくなると思われるので、有線LANケーブルの標準仕様はこの6A規格がバランス的に良いと思う。
※現在の光ネットは最大で2Gbps、携帯電波の5Gは10Gbpsで近い将来で20Gbpsと光ケーブルの10倍に更に進化する。
2階の手洗いは造り付けとなっている。間仕切り壁が少ないプランなのでこの壁にCFや鏡、収納が計画された。
このような手洗いのカウンターを木でつくる場合、先端止水の水栓は必須である。一般的な根元タイプの水栓だと止水時の手のモーションで水が必ずカウンターにたれ落ちる。このため常に水を拭かないとカウンターの綺麗さを維持できない。
しかしこのような先端止水であれば、それが限りなく少なくなるので、木のカウンターも使えることになる。この考えは20年来変わっていないが、その先端止水の混合水栓でコストが安価だった製品が今年の夏に廃番になったことは先回のブログでお伝えしたが、残念なことである。
個室には杉の床が貼られている。針葉樹の床としては珍しく幅広で165mmあるため和にならず高級感もでており良い選択となった。一方この部屋に隣接するアトリエの床は、キャスター付の椅子もなんとかつかえる堅い木のカバさくらとして、杉と全く正反対の性質をもつ。床は原則用途別に選んでいる。
良い選択と言えばこちらもオリジナルのダイニングテーブル。
最も無難につくられたテーブルはオールタモ製であり、素材感の魅力が引き出されており美しい。
その重量感と正統なデザインは昭和初期の学校机(50代以上の人にはわかる)のようである。正統なデザインとは最も無理がなく足と天板が固定されるため、低コストでその頑強さを長いあいだ維持可能。
コメント
基本遮熱型のガラスサッシをお使いとのことですが、高気密高断熱がゆえ取得型にすると冬でもオーバーヒートしてしまうからでしょうか?
>冬でもオーバーヒートしてしまうから・・・
いいえ、違います。オーバーヒートしたなら窓開けで不快を直ぐに解消できます。
遮熱型がメインとなる理由は・・・
1.一般的に超高断熱住宅では冬期の日射取得より夏期の日射遮蔽にメリットがある。
2.北陸地方において冬期の日射量は関東地方の1/3以下であるため有効利用が難しい。
1は夏の快適維持は冬の快適維持より大変難しく、夏期に日射が個室に侵入すると簡単に室温30℃を超え個別空調設置以外、現実的な不快解消の手段がないためです。
なるほど、たしかに全館暖房はそう難しくないため日射取得による熱量は使えたらラッキーみたいな感じでしょうか。
夏の暑さは冷房・湿度コントロールが難しいため、簾とガラスでシャットアウトした方が良いわけですね。
私は北海道在住なので、大変参考になります。最近は冬の寒さより夏の蒸し暑さが気になります。