気密シートとタイベックの継続性

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
断熱はBグレードであるが、サッシはAsグレードにしてAsの基礎外断熱も採用し、最も効果的な断熱強化を行なっている井岡の家。

長期優良住宅認定(耐雪1.5mで耐震等級3、Ua値0.24とG3クリアー)で現在施工中の刈羽村の井岡の家に昨日伺ってきた。目的は耐力壁の4回目のチェックと、気密シートチェック。

「緑の家」定番のドレーキップサッシの2つ柱抜きで並べるから一体的に見える。

上の2枚の写真では、巾3.64mで高さ1.82mを上下に2セット並べ、吹き抜けのコーナーサッシを施工中である。この時巾3.64mの樹脂サッシ(枠断熱強化型トリプルガラス)は大きすぎて製作できないので、巾1.82mを横に2つ並べている。この時できる限りこの2つが一体に見えるように矢印の部材を限りなく薄くしている。

外部から白矢印部分をみると上の写真ではピンク矢印の所であるが、

全て白色でわかりにくいが、これはサッシを正面から写している。

サッシ同士はツバで3mm、枠で53mmの最小離れ寸法に抑えている。このためこの樹脂サッシを固定する部材は巾を小さくしているが、奥行きは120mmもある立派な準構造材。これは耐風性能を確保するためで、防風時(30m/s)に窓の固定耐力を確保するために必要な大きさ。

ピンク方向は約3mで黄色方向は約3.5mとピンク色方向が小さいのでこちらが主部材となる。こちらは1階のコーナーサッシ。
2階のコーナーサッシも1階と同様な構造。窓外は丘しか見えない恵まれた敷地。

上のピンク色矢印の部材が床下にある土台から上の梁まで伸びているのがわかると思うが、通常は黄色矢印側がピンク矢印側より短くなるので、幅方向で耐風力を受け止めるが、今回はピンク方向の部材で受け止める計画となっている。

上のようにとんでもない大きさのコーナーサッシのような一般的でない窓配置を設計するときには、下地材(準構造材)まで設計段階から気を使うこともある。

さて・・・防水チェックだが、

いつものメーカーと違う透湿防水シートである。いつもはデュポンのタイベックであるが、今年からタイベックは廃盤となり在庫も4月でなくなっているので、同性能同等品としてJIS規格にあるフクビの透湿防水シートとなる。デュポンがまたしても例の事(熱劣化問題)でタイベックを止めたのかと思っていたが、価格が3倍も高いタイベックシルバーに統合されたとのこと。タイベックシルバーでは耐久性があるとメーカーHPで説明されているが、廃盤になったタイベックのどちらも20年保証品であり、設計者は同様に30年以上の性能があるとの認識で、その違いがとてもわかりにくい。過去論文であるように遮熱性能については、G2以上の断熱性能なら遮熱性能なんて無視できる程度の事だし、ただ単に値上げしたいための計略としか思えない。もしかして再びタイベックに何らかの欠点があり、そのために廃盤になったのか・・・。いずにしてもこのように1mmもない薄い化学的材料で、30年以上評価が長期に変わらないのは防湿シート(気密シート)とブチルテープくらいなのか。やはり化学的ギミックのシートである透湿防水シートはあまり信用してはいけないと思う。

今回気密シートのチェックも行なっているが、もう何十棟も行なっているヨシダハウスさんの勝山さんに、何も申し上げることはない。綺麗に丁寧に貼られている。

2階で主要な部分の気密処理は終了。気密シート抑え部材はこれから。

また断熱材もとても綺麗である。合板による耐力壁に切り替えた事もあるが、次の建築から再び筋交いに戻ることで多少は歪んだりするのだろう。

気密シートの裏に合板が見えるところは、外側の大壁合板とプラスされる高倍率耐力壁となる。刈羽村でも積雪は1.5m以上に設定されているので、しかるべき耐力壁量は必要となり、開口部を大きく取ると高倍率耐力壁が多く必要となる。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする