実は・・・寺泊の旧拙宅に行ったもう一つの理由のは・・・ある試練のため。
今から16年前、当時では私の知る限り誰も行っていなかった木造住宅の2階に屋上菜園をつくった。下の記事↓
とにかく思いついて可能であるとわかったなら、実行あるのみなので直ぐにつくったのが菜園。このように誰も行っていない不安定だと思われることで成功した時は皆さんに勧めるのが私のポリシー。一度排水口の詰まりで水があふれた事はあったが、既に16年経て水漏れをはじめとする問題はなかった。しかし予期せぬ問題は2年前から起こっていた。
それは・・・
土が勝手に増えすぎて設計荷重を超えてしまったこと。
当初土の深さは250mm前後+砂利50mmで計画して施工した。ところが作物を植えるごとに土が増えてゆく。一般的な大地の畑では大雨の時に土が流れて目に見えて増える経験はない。しかし屋上菜園は、豪雨になってもその区画から土は流れ出ない。だから作物(植物)を植えるほどそれは最終的に腐って腐葉土となり土を増やす。これは想定していなかった。「土って結構増えるんだ」とはじめてわかった。15年ほど経過したときには設計想定の1.5倍の土が菜園にあった。
このままでは1階の車庫がつぶれてしまうし、その前に床の防水層がたわみでヒビがはいり漏水してしまう。そのため昨年から連れ合いと年に一回、土を運びだしている。
昨年は軽トラ3倍分(350kg×3)で1.2トンの土、昨日も3倍分で1.3トンと土嚢袋80袋分をスコップで掘り、土嚢に詰めて1階におろした。
特に昨日はきつかった。外気温33度で日よけもない屋外でスコップを振るうと汗が瀧のようにながれる。水も2Lくらい飲んだが途中浜で遊ぶ家族づれの声が聞こえ、「真夏の海の前で穴を掘る・・・これは一体何の苦行か」と思っていた。16年も畑をすると土から蝉の幼虫も数匹出てきて、既に疑似大地化している。
3回分の土砂を運ぶおえると・・・屋上菜園の土は当初の土の量まであともう少し。あと1トン分を運び出せば当初の7トンまで土は減る。
途中お昼休憩で窓外の青く透き通る海(昨日はべた凪で海底がはっきり見えた)を見ていると、目の前のテトラポット直ぐ沖でサーファーがいると思ったくらい黒い姿が数十ある。えっと思って見ていると上下に浮いたり沈んだり。
あっ イルカだ
と思って見入っていたが、途中こんな珍しい光景をカメラで撮影したいと思って下の車までにカメラをとりに行き、撮影したのが下の動画。31年住んでいたがこんな群を見るのは、はじめて。
苦行のあとのご褒美である。
屋上庭園はビルでは結構な事例が世の中あるが、このように一戸建て木造住宅にはめずらしい。特に以前は興味を持たれたかたが「当方もできないか?」との問い合わせも頂いたことがある。屋上庭園採用可能かの条件は多くあるが、15年後この土排出があることも理解してそれでもしたいと言うかたにはお薦めするほど2階家族の間にあると豊かな菜園の野菜が食べられる。