築130年のotomo vie cent リノベ その52
  絶対の古民家リノベ3原則

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一部訂正で写真の入れ替え 2025.01.15

床が解体整理されていよいよ防湿土間コン土間を打つ。

築130年のotomo vie centの先回のアップは10月だったので3か月ぶりにアップする。それはそのはずで11月中頃から休みがなかったので一度もotomo vie centの奉仕は行っていない。

最初にふと最近思ったことだが・・・

「otomo 」は冷蔵庫内の温湿度。「otomo 3離」とは空気質が全く別物。(写真が間違っていたので入れ替え)

SwitchBotで3か所の建物を監視している。上とおり「otomo」だけ異常なRH(相対湿度)を示すが、これは冷蔵庫内においてあるSwitchBotのためである。同じくらいの「防温湿度計」とはRH(相対湿度)が大きく違い、「防温湿度計」の方は屋外の外気温湿度でこれで露点温度0.4度くらいとなる。一方「otomo 」の方の露点温度は―16度で、庫内の冷凍室の温度にほぼ近い露点温度。つまり冷媒が流れる熱交換機の表面温度もほぼそのくらいかそれ以下になっているのだろう。これでは庫内は乾くはず・・・。

さて話を戻してotomo vie centだが・・・

土間中央に囲炉裏をもつ。この囲炉裏はそのまま使う予定。

このように綺麗に床が取り払われ、土台も一部取り払って、柱廻りの固定は土台の足固めでなく、コンクリートで行う予定。これは数年前に改定となった「伝統工法の柱脚部分の緩和」を適用し、引き抜けのかからない柱脚はほぞの固定でOKであるとの事から採用している。

土台による足固めより左右ぶれの防止の効果は、コンクリートのほうが上回ると考えており、何しろ土台の多くが腐朽していたため、取替える必要があった。その一方、この土地は地面からの湿気が容赦なく侵入し、同じ築年数110年を超えた「て・こあ」と違い、床下の土が常時湿っている。このような土地はまず何を優先するかといえば、「湿気の抑制」・・・それだけである。

主柱は210角と240角のケヤキ柱。

この湿気の抑制に最も効果があるのは、防湿土間コンクリートの敷設となる。

多くの古民家改修でここの認識が間違っていることが多い。この「湿気の抑制」を軽く考えているから古民家改修後に生活してみて現在の家環境との違いになれず後悔して手放したりする。もし古民家を住まいに改修しようと考えるなら、まず第一にしなければならい事が、この地面から上がる湿気の抑制を確実にすること。ただ単に防湿フィルムを敷いて砂だけかぶせ、床下に炭など設置しても全く十分でない。特に炭などは吸湿するがキャパを超えると全く吸湿をせず逆に放出過程となり、湿気を放出し始める。間違いなく防湿コンクリートを打つことが、民家を住居にするために行う最初の修繕である。これは土間を活かすときに特に必須で、畳や木床でも大事な事である。私は築100年の「て・こあ」をリフォームし、宿泊、生活した経験から古民家を住居に改修する3原則があり、それは

1.地面から湿気の抑制(防湿コンクリートなど)。

2.水洗トイレにする。

3.虫が入らないように大事な空間は「気密構造」を行う。

になる。これのどれ一つ欠けても住居として長く維持することは不可能に近い。もし住居でなく何らかの施設でもこの3つはリノベの絶対必要項目である。2と3は多くのリノベで行うが、寒さ防止のための断熱性を考える前にこの3つをやれば住まいとして10年以上住むことができるが、一つでもかけると数年で手放すほど嫌なところが我慢できなくなる。この理由は別のブログにて改めてお伝えする。

さて・・・

今回の改修は、一階の床の過半以上を改修しているので解釈によっては大規模改修にあたる可能性が高く、都市計画区域内では現時点でも確認申請が必要となる。しかしこの地域は都市計画区域外なので現在は確認申請は必要ないが、この2025年4月から、このようなリノベーションは確認申請が必要になる可能性が高い(法上2階建てのため)。つまり一階の床が大規模改修の床に該当するかが今のところはっきりとわかっていない(剛床でないため)ので、最終的には管轄の建築主事に尋ねることになる。確認申請が必要か不必要かは大変な変化であるため、できるなら都市計画外のリノベーションは3月以内に着手する事お勧めする。但し構造的安定性の担保は変わりなく現在でも必要でそれを行っていなければ、リノベの意味がないことに注意したい。

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