四方山話  「建て前と危機管理能力」

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先日辞任した今村雅弘前復興相の発言・・・

「東北で良かった」

この言葉は多くの波紋をおこした。

あるジャーナリストは

「これが政治家の本音で、東京を生活・活動の中心としている人の本音」

と・・・今更言い放った。

そんなこと、3.11でハッキリわかっただろう・・・と言いたい。

当時の都知事でさえ「3.11は天誅がくだった」という麻痺した感覚が、首都や大都市圏に蔓延している・・・。

新潟県では先の知事選挙で大方の予想を覆して首長の経験が無い米山氏を選んだ。原発が知事選の争点となったからで、決して米山知事が前長岡市長だった森氏より知事にふさわしいとと思ったからでないと思うし、少なくとも私はそう思っている。批判は多くあると思うが県民に「危機管理能力」が働いたのである。

つまり・・・あの3.11で

原発が首都圏や大都市圏にないのは、

「危険がある」

と言うことが本音で、

「地方の活性化や地代が安い」

とのことが建て前とわかったから。

まだそれを美麗句でごまかそうとする人は危機管理能力が欠けていると言うこと。

3.11のとき新潟県には多くの福島県民が仮の避難地として来て頂いた。

その時多くの新潟県人は同じ大きな原発施設を抱えているから、人ごとではなかった。

決して

「福島で良かった」

と思った人は多くない(少なくとも私の廻りには無)。

そんな人が廻りにいるから、大きな原発施設がある新潟県に留まっている人も未だに多くいらっしゃる。再び同じ事が起こる可能性を持った新潟県に居続けられるのは、多分・・・同じ気持ちを共有出来るから(それだけではないと思うが)。

職業柄かもしれないが私は、

阪神淡路大震災、東北地震、熊本地震が起ったあとは、

「次はここかもしれない、それに備えることが自分の業務使命」

と思った。

被災した人と全く同じ気持ちになる事は出来ないが、

「ここでなくて良かった」と感じる事はなく、

こんな危機管理能力をもつ県民が多くいる新潟に、世界最大の原発があって「まだ救われている」と思っている。

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