中間気密測定に向けて気密施工のチェックに伺ってきた。
結果は大工工事では全く問題なし。設備類の貫通部分にわずかに隙間が空くような工事があったが限定的である。気密施工を行う前の打ち合わせで施工者が理屈を理解してくれればなんてことないのが気密工事である。10年前は初めて気密工事を行う施工者の意識が「気密なんて建物に悪い影響がある」と信じていた人がほとんどだった。今は状況がガラッと変わり毛嫌い的な感覚がなくなっていると感じる。素直にこちらの施工理屈に耳を傾けてくれる。ありがたいことであれだけ猛威をフルって高気密高断熱を否定していた中気密論者はいつの間にか消えもういない・・・。当時中気密がよいと叫んでいた企業は反省をして頂きたい。それを信じて建築した人が必ずいるから・・・。
気密工事の肝は「気密の取り方の理屈」を伝えればOK。というか設計者にはそれしかできない。複雑に絡み合う建築の下地や設備がある中で型にはまった決まり切った納まりはなく、すべてが応用である。だから理屈が大事なのである。
坪井町の家は船橋日大前駅から徒歩12~15分であるが、現場に向かうその通り道は綺麗な家が立ち並ぶ新しい住宅地。最近建築された家が殆どであるため、最も多い屋根形状が片流れ、そして軒の出が小さい屋根である。そんな中、「緑の家」のシンプルで軒の出が大きい単純な屋根は何か落ち着く...。これで木の外壁なら廻りの家とのバランスで異様な感じになるが、ご要望は20年ぶりの窯業系サイディングであった。確かに仕上がりは綺麗であり、ほぼ100%窯業系サイディングのこの住宅地には溶け込む。
都市部では設けにくいコーナーサッシであるが、小さめなら計画出来る。サッシの木枠もセオリーどおり正面とおなじ見えがかりでキチッと納める。
床も「緑の家」定番のヒノキの縁甲板。何故「緑の家」が23年間もこのヒノキが定番なのかは何度かブログで申し上げているが、あらためてお伝えすると・・・
天然系床材で、燻蒸処理されていない床は「杉の縁甲板」か「ヒノキの縁甲板」しか無いと言える。燻蒸処理とは、果物だったらポストハーベストと同じように、自然素材の床もカビ防止剤が吹き付けられている。しっかりウレタン塗装でもされて船積みされれば防かび剤は必要無いが、無塗装やそれに近い木では船積みで2ヶ月も暗い船倉でカビが生える心配があるため、カビ防止剤を倉庫内(コンテナ内)に撒く必要がある。実は普通に手に入る自然素材のほとんどの床(ナラ、タモ、オーク、バーチ、アッシュ、メイプル、チェリー等など)はほとんどが海外から船に乗ってくる。ところがヒノキと杉は国内特有の樹木であるため、輸入品がないのである。そのため燻蒸処理などの薬剤処理がされている可能性が極めて低い。事務所創設時の平成9年はシックハウスで建築業界は大揺れに揺れていた。その時に安全な自然素材を使いたいとのこと調べて決めたのがヒノキの床であった。
さて、今年度中で引退するMAXトキなので、せっかくなら普段は使わない2階席を利用した。2階席は少し高い位置に目線が来るので、窓外の景色はいつもと違う。2階建ての導入は上越新幹線ではもうないから走行中気になった家の景観を写真に収めてた。当然いつのように私一人しか乗っていないので左右から写すことができた。