昨日清五郎の家の耐力壁検査に伺ってきた。その時に同時に大スパンで耐震等級3を取得するためにほぼ必須な、桁上合板の釘打込み状況も確認した。
清五郎の家は新潟市中央区鳥屋野潟付近で決して田舎でない所だが、この清五郎付近だけがまだ田んぼが多く残る場所である。上の写真をみるとまるでotomo vie centに近い感じがするが、ビックスワンまで歩いて直ぐそこである。
さて本題だが、
私の自慢は、業界人が最も避けたい時期にその場所に入ることができた事。梅雨時期なら家の小屋裏に入ること。特に梅雨明けのころの屋根下にある小屋裏は、雨漏りがなくてもRH(相対湿度)100%で温度30度を超える過酷な空間になる。これはこの時期に中に入ったことがある人しかわからない。小屋裏に入った瞬間・・・汗が噴き出るのである。そんな経験があるから小屋裏の換気重要性を理解して、劣化防止等級3基準の換気量を事務所設立以来全ての仕様に盛り込んでいた。
梅雨中は上の図のように野地板から大量の湿気が放出される。雨漏りもないのになぜ放出されるかは以前の実験で証明している。
所謂蒸し返しによる吸放湿物体からの放出である。この水分の元は、空気中の湿気と小屋裏は屋根材の隙間、釘穴からの浸透した雨水が大きい。よってガルバニュームのように隙間が少ない屋根材以外の梅雨空の午前中、小屋裏内はRH(相対湿度)100%になっていることが多い。これは梅雨がある地域共通である。
一方冬期は意外と大丈夫。特に新潟は日射がないので屋根面の温度が上がらないため蒸し返しも少ない。逆に室内から内部結露対策の方が重要となる。
「緑の家」では桁上水平合板を貼る家が全体の2/3にもなる。いつも合板には上のように穴が空いており湿気をしスムーズに屋外へ排出する。
切り妻屋根の場合は↓写真のように、妻側に軒裏に逃げる大きなスリットが空いている。ここは直ぐに外壁が貼られ見えなくなるので、今日の監理できっちり確認できた。
見えなくなるところほど、計画通りの施工が行われているかを見ることが工事監理なのだろう。
実は「緑の家」の高基礎も同様であり、業界人でも一般の住宅では梅雨の時期が最も床下も入りたくない場所である。湿気はあるし虫はいる、蜘蛛の巣は多い。そんな時期に床下に匍匐前進で入った事があるからこそ今の「緑の家」の高基礎がある。我々が入ることを躊躇するなら、建て主さんは生涯絶対入らないだろう。でもメンテナンスの中心は実は床下が一番になる。配管、配線、湿気、白アリ・・・全て床下空間が中心である。そこを入りやすく考えたのが「緑の家」高基礎なのである。
現場は充填断熱材を施工中である。外貼り断熱材をほぼ終えもう完全に囲われた内部は、どんな豪雨に濡れる心配はないので繊維系GW等の断熱工事がらくである。