昨年末トップライトがある「緑の家」のオーナーさん全てにトップライトのメンテナンスを促すDMを送らさせて頂いた。
当事務所が過去使用してきたトップライトはベルックス社製で、そのメーカーによると10年目に有料点検をうけると、更に10年保証が付くし、パッキン類は10年過ぎたころから劣化の影響で漏水の危険性が出てくるので、それを防止するためでもあるとのこと。既に数件メンテナンスの依頼が入っており、順次行なう予定である。昨日は15年目に入った「緑の家」に伺ってトップライトのメンテナンス下見と一緒に「緑の家」10年目の有料定期点検も行なってきた。
10年目の有料定期点検は出来れば10年未満で行なう事が原則。仮に不同沈下していたなら地盤保険で完全に修復が可能であり、建て主さんのメリットも大きい。このため点検の中心は建物の内部外部の傾きと屋根の防水性チェックとなる。
外部はレベルで基礎の水平をチェックし、内部はレーザーレベルで床の傾きを見る。今回は基礎の水平はほぼ誤差範囲の10m程度で最大3mm程度と全く問題なし。床は3.64mで4mm(1/1000)が最大だったが、無垢床の影響もあるのでこちらも良好な範囲となる。その他は小屋裏内へはいり屋根の雨漏れと同時に小屋裏の健全性確認、床下内の健全性確認となる。こちらの「緑の家」では全面勾配天井のため小屋裏は存在しないため、天井の雨染み、結露染みの点検になった。こちらも全く健全である。屋根防水性能は施工された工務店の屋根屋さんが確認する。
建て主さん曰く「つい最近まで真冬でも家の中は半袖で過ごしていた」とのこと。また「その温度維持のため14年間ハードに使用しているこのエアコンは未だに現役で、大きな修繕もなく良かったが、新たに5~6年前に購入した違うエアコンは最近一度修繕となった。14年前のエアコンの方がいいね」とのこと。
こちらの家は「緑の家」が超高断熱になる直前の通常の高気密高断熱(旧Q値で1.8kw/mk)の家だが、現在でも24時間家中暖房で冬期はエアコンがフル稼働している。そんな環境でも14年間、問題なく運転できる当時のエアコンは凄いとしか言いようがない。これはこの「緑の家」だけで無く当時のエアコンはほぼ同じ状況である。現在のエアコンはやはり退化しているといえる。日本製品の誠実さが無くなっていると感じるが、つい最近おなじような事を感じた。
それは・・・
COVIDー19のことだが、こんな報道で思わず「やっぱり」と声がでた。それは
「政府のコロナ対策分科会メンバーで、NHKニュースや民放TVでもおなじみの東邦大学医学部教授の舘田一博氏(日本感染症学会の前理事長)がワクチンを自身の意思で未接種だったことが発覚した」
ことである。
ユーチューブに残っている舘田一博氏の動画によると、舘田一博氏は自身で出演し積極的にワクチン接種を勧めており、特に接種は自身のためだけでは無く社会のためもあると動画で説いていた。しかし自身はアレルギーがあるとのことで接種をしていないことが、つい先頃コロナに感染し入院したことで初めて表にでてきたらしい。ソースはここで(週刊現代)ではあるが裏付けはしているとのこと。
これには驚きと納得の入り交じった気持ちになるが、専門家として最低の言動行動となったのではないだろうか。もし他の人(国民)に国の専門委員として「社会のため」との理由で勧めるなら「自身はアレルギーで接種できないが」と断りをいれる事は必要だろう。例えるなら私がこれだけ超高断熱高気密を勧めていながら自邸は低気密低断熱の家で設計していて、その理由が自分には超高断熱は好ましくないことを黙っていた・・・ことより酷い。
さて話は戻って、この「緑の家」のことであるが、当時は数多くプランしていた廻り(らせん)階段。こちらの「緑の家」も廻り(らせん)階段であるが、訪問者さんがこの最後の段から落ちることがあるとのこと。
一方この「緑の家」は現在の「緑の家」の仕様に大きく影響を与えている。「緑の家」の白いガルバニュームで全て覆うことが定番になったのは、槙島の家から始まりこちらで定着したと言ってもよい。またコーナーサッシ、アプローチのコンクリートの使い方も同様である。つまり15年まえから素材などに変化がないとも言え、その素材等はとても「無難」といえる。
屋根形状は軒の出無しの無難とは言いがたいデザインだが、14年経過後のいまでも不具合がない。しかし日射と強風があたる西側、北側窓のシーリングにヒビが見られそろそろ取り替えが必要であることをお伝えし、後日見積もりを提出することになった。