2日間で10000枚をプリントアウト  長期優良住宅の構造計算書

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ここ最近では最大の難関の構造でした。

一軒の評価申請でコピー用紙10000枚使用。

Dsc02851

オーブルデザインでは小さい事務所ながらプリンターは68台+1台(1台は予備)あります。その68台の内4台フル運転が2日間続きました。この間は壊れないことを祈ってました。使用したインクカートリッジも2日間で8本・・・

Dsc028521件の長期優良申請でこの5000枚入り箱を2つ使いました。

今月31日で終わる長期優良住宅の補助金制度。その補助金100万を受理するためには、長期優良住宅の認定を受けなければなりません。3年前からこの制度が始まって以来15棟くらいは申請しており、慣れているつもりでした。

ところが・・・

今回の長期優良住宅は、なんと長期優良住宅の技術評価審査に1ヶ月半もかかってしまいました。通常なら2週間くらい(長くても3週間)ですので実に3倍以上・・・。

ホントにお待ち頂いた建て主様には感謝とお詫びを申し上げます。

今回の「申請から受理まで」に時間がかかったのは・・・

「評価機関でも初めてな斜め軸を持つ住宅計画」だからでした。

Dsc00215_1

通常建物はX軸とY軸の垂直(直角)軸で計画されます。所謂四角い平面のことですが、今回の計画はへの字型の平面計画で構造軸が30度振れています。

こういった軸が直角でないプランは過去に「古民家の家」でも行っているのですが、この時の場合、直角軸と30度振れた軸を分離する(エキスパンジョイント)事で構造を解析して安全性を確認しましたが、今回は一体型です。

そこで3プランにモデル化して安全性の確認を3棟分の構造計算でOKと思って申請しましたが、評価官さんから「NG」。

「このやり方では客観的に安全性の確保をしたとは評価できない」と言われ、「確かに客観的評価はできないよね」と私も感じ、悩むこと1日。デザインと構造を一体と宣言する設計事務所ですから、こうなれば意地でも客観的に評価して頂こうと考えました。

さて・・・そこで、

まず斜め軸の対応の構造ソフトを探す事にしました。このような建物は手拾い手計算では既に解けないほど複雑でその膨大量な荷重、応力チェックはできません。仮にがんばって3週間行ってできたとしても、一箇所でも間違いがあればほぼ最初からやり直しです。まるで賽の河原の石積み状態になりますので、やはりPCでひろうしかありません。

ところが斜め軸対応ソフト(木造)は殆どありません。探した結果ようやく候補が2つあがりました。

一つはちょうど斜め軸対応新製品がバージョンアップされたばかりで、もう一つは既に現バージョンで簡易的に斜め軸OKで9月中頃に更にバージョンアップされる予定。となればバージョンアップされたばかりの新製品の方を購入するのが普通・・・と判断しました(これが間違っていた)。更に念のため、そのソフトで実際プランを見せ、対応できるかどうかそのメーカーさんに伺い「OK」をもらったので直ぐ購入。しかしこれが大きな間違いでした。

初期バグ(勝手にソフトが閉じる)があるわ、斜め軸にダイレクトに入力できないためX軸Y軸に変換。すると軸が各方向でゆうに100を簡単に超えます。このため図面が100本の中心線で埋め尽くされ何がなんだかわからない状態に・・・。更にその精度が1mmだったので100本も線が重なれば誤差が1mmを超えるのは必至で「入力エラー」ばかりで先に進みません。 また斜め床の剛性が評価0だったり・・・orz。

ああーこれまでか・・・この時既に購入後2週間経過 (泣)。

直ぐにもう一つの候補のソフトを古いバージョンを承知で再購入。このソフトが普段使い慣れた構造ソフト「KIZUKIRI」よりも数段入力が複雑。入力し計算を終わるまで7日間(お盆休み返上)で行ってようやく終了。その後更に今度は軸が曲っていないプランでダブルチェック。この構造計算と軸の曲がった構造計算書を付き合わせて、厳しい方の数値で柱や、梁、基礎を決定。つまり一軒の家で2つの構造計算書作成し、評価しております。

そして出来上がると同時に直ぐに評価機関に修正申請しました。通常2週間はかかる所、その評価機関の最大の好意でたった7日で評価頂きました。本当にありがとうございました(もう一つの機関にも評価して頂いている建物がありますがこちらも評価頂ける事を願ってます)。

さてこの構造計算書は一部1000枚。これを4部用意して、間違いがあったので更に4部プリントアウト。そして途中ちチェックのため2000枚くらい印刷し合計10000枚。

Dsc02853これで2部分。無論両面印刷です。

本当に異常なくらいの紙量(作業も)でした。それも当事務所はレーザープリンターではないため、カセット最大枚数は250枚。何度紙を足したことか・・・(レーザープリンターが必要かな?)。

PC化すれば紙はオフィスから減るというのは幻想で、確認や評価申請はやはり紙ベースしかできません。

2日でこの箱2つ使い切るとは・・・

でもこれでキチッと安全評価でき本計画は間違っていなかった事を無事証明できました。感謝です。そしてこれだけの労力を注ぎ込んだ「への字型の家」は当事務所の代表プランの一つとなるでしょうね。

ようやく第三者の評価を経て、補助金を頂き、着工となります。

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