木の耐久性 心(芯)材と芯持ち材の違い

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

木の種類によって耐久性が違う事はご存じでしょう。でも耐久性のある「檜」でも辺材は耐久性がない事は13年前の当HPコラムでお伝えしております

家の設計者(建築士)でもよく間違う事を今一度、ご説明します。

木の年輪を見ると上の写真のように辺材と心材に構成されている事がわかりますね。
辺材は近年に大きくなった若い部分で、まだ堅くなく水分も豊富にあります。だから木を切り乾かすと縮みや変形、割れが多く、また養分も多いので防腐防蟻性に劣ります。

一方心(芯)材は堅く養分や水も少なくなっているので変形しにくく、防腐防蟻性も辺材に比べ高くなります。また乾燥割れも少ないのが特徴です。この性質は殆ど木に当てはまり、それは辺材が成長しなければならない木の部分なので当たり前の性質です。

間違えやすいのは、「芯持ち材」と「心材」の違いです。芯持ち材は字のとおり木の芯を持っている製材した木でよく柱に使われます。「心材」は木の芯を含まない心材だけの製材品でこちらも柱に使われます。価格は2倍~10倍も心材が高く、節の無い心材は主に和室の見える柱に使われます。つまり変形が少なく、木の芯をわざと外す事で割れも節も少ないため和室に使うのですね。

価格が10倍も開くのは上の写真でわかるとおり、心材の柱は60年以上経た大きな木からしか取ることができなく、製材すると使えない周囲の木の無駄も多くでます。一方芯持ち材は、20年もすれば間伐材として柱に加工されます。この時小さい木から切り出すので柱の外周には辺材が混じります。だから芯持ち材は心材より耐久性は劣ります。でも安い。

ですので厳密には耐久性の高い杉や檜を使っても芯持ち材は辺材部分があれば、その部分は耐久性の低い栂や松と変わり無いばかりか、耐久性のない木の心材より劣るかもしれません。ですので大手メーカーでは杉でも檜でも防腐防蟻の薬剤注入を行います。

このところは設計者(建築士)はよく理解できていないところで、間違えやすい部分です。

もしあなたが家を作っている設計者(工務店)に

「柱には辺材が混じりますか?」

と聞いてみると良いでしょう。

もし

「辺材も混入しますが、芯持ち材ですので問題ない」

と答えればまだ良い方で

「地場の芯持ち材の杉(檜)なので大丈夫」

と答えれば木の事を理解していない人か

「素人のくせに何を聞くのか」

と上から目線の人です。

緑の家はそもそも地面から1m以内に柱が一本も無いので、柱の耐久性の善し悪しはあまり関係ありません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする