自然素材は何もしないと最後は黴びる

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Dsc02367中霧島壁のカビ・・・築7年目くらいから生え始めたとのこと。

新潟の気候は・・・

夏は暑く湿っており、平地なので明け方まで温度が下がらないのが普通です。一方同じ緯度にある長野県や福島県(浜通を除く)では、夏の気温は高いのですが、平地ではないため明け方の気温が下がりやすい傾向があります。この明け方の気温が下がることが重要で、20℃くらいまで下がれば、天然の除湿器となり、空気中から湿気を取り除いてくれます。そこで今日のお話は、全国共通とは言えませんのでそこに注意してお読みください。

Dsc02364大変ショッキングな感じですが、吸放湿しやすい自然素材ほどカビが生えやすいのが普通。

この写真は築12年(当時2011年)の中霧島壁のカビの様子です。当初これを相談されたとき、なんだかわかりませんでしたので、この壁の発売元に写真を送って聞いてみました。すると即答で「カビです。中霧島壁自体は無機質なのでカビがはえる栄養はありませんが、年月が経つと空気中の埃が壁にくっつき、そこに栄養分がつくとカビが生えます」との事でした。

自然素材100%と宣伝される中霧島壁は湿気の吸放湿が大変得意な壁です。だから人気が高い素材です。

しかし・・・

使い方を間違えると、他の自然素材と同じくカビが生えやすい素材であると言えます。

使い方とは・・・

いつもご紹介しておりますが、カビが生えないようにする為には、

①物理的に排除→毎日お掃除

②防かび剤にたよる。

③梅雨時でも湿度をコントロールし、65%以下に保つ

④素材自体カビがとても生えにくいものをつかう

となります。

普通①と②は嫌がられます。となると③と④になりますが、

④の素材としては・・・ガラス、硬質樹脂、金属、強アルカリ物質があります。湿気を殆ど吸わなくて、表面がなめらかなガラス、金属、樹脂は人工素材の代表格です。しかしその触感が嫌われます(手摺りを除く)ので広い面積の部分には不向きです(というか自然素材ではない)。一方強アルカリ物質としては、漆喰とコンクリート、モルタルが代表的です(これを自然素材と呼べるとき)。しかしこれらでも20年以上経過するとアルカリ分が空気中のCO2と結合して中性化します。また初期の強アルカリの頃はその素材に触れると、肌が荒れますので、普通は触らないところに使います(壁、天井など)。もっとも長期的に現実的なのが③の湿度を保つ事です。ですがこの方法はエアコンが登場して可能になったので、多くの人が知りません。

Dsc02365実際はこれより目立たないが、このように直径2~4くcmの円状で色が変わる。

「緑の家」にお住まいの方でもその住まい方は多様です。今回カビが発生したこのお宅は、梅雨時のエアコンは一切使わない、夏も我慢できないときに使うとのことで、特に竣工時からこの中霧島壁が湿気を吸ってくれるので、梅雨時も気持ち良かったとの事です。

中霧島壁は、その主成分が「火山灰」であるため、これだけでは固まりません。固まるようにプラスター成分を混ぜそのプラスター成分が強アルカリだから、そのアルカリ分強い間は、たっぷり湿気を吸ってもかびにくいのですが、8年も経つとアルカリ分も中和され、そこに埃もある程度積もって養分ができ、カビが生えたのだと想像します。

実はこの写真は2011年でしたが、多分まれな現象なのかと思い、公表をさけてきましたが、やはり築10年目の別の家で、数年前から同じようにカビが生えたという「緑の家」がありましたので(同じように梅雨から夏はエアコンOFF)、カビの生えやすい使い方を避けるためにもまずはブログにて公表をしたいと思います。

中霧島壁に限らず自然素材は直ぐにカビが生えます。だからそれを防ぐ一番簡単な方法は「梅雨時の家中丸ごと空調です」。

もし自然素材でもこのカビの生えやすい新潟県で生えない場合は、②のケミカル処理材となるでしょう。

中霧島かべのお手入れ方法はメーカーのこのページにありますが、少し現実的ではありません。その文言には「気密性の高い室内で湿度を高湿に保った場合には、壁の湿気は飽和状態・・・略」と有りますが、梅雨時は窓を開けて気密性をゼロにしても外気が湿度100%の状態ですから・・・やはり空調しか無いと言うことになります。

もしカビの問題が多く出てきてこのメーカーの対応として、中霧島壁に他の製品と同じように防かび剤を混入するなら、自然素材100%の記載をHPから排除する必要があるでしょうから・・・今後の製品に注目したいと思います。

「緑の家」の標準壁のAEPは大変優れもので、同じカビが生えた家でもまだカビの兆候はありません。中島霧もAEPの下地はPBと同じですから、単純に仕上げ材の違いが出たことになります。これはAEP自身が湿気を殆ど吸わないので、それが逆にそれ自身が高湿にならないことに有るとおもいます。またデーターシートに記載されないほどの防かびのケミカル物質も微量はいっているかもしれせん(メーカーに再確認中)。

今後も吸湿をする素材はデメリットもあることをしっかり説明しお勧めしたいと考えております。

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コメント

  1. オーブルデザインの浅間 より:

    >でも、自然素材や調湿効果など、良い面だけのアピールかもしれないとの疑いの気持ちがあったので、もしかしたらカビてしまうのか?という疑問があったため質問させていただきました。
    鋭いご指摘です。
    巷では、セルロースファーバーの吸湿性を活かして防湿シートを省く人がいますが、カビの点から見ると完全にNGです。仮にセルロースファイバーがホウ酸で守られていたとしても、それと同じところにある無垢の木(柱、梁、間柱、筋かい)は黴びますね。カビ菌で腐る事はありませんが、腐朽菌がついた多湿環境はの場合は腐ります。
    よって、上でも書いたとおり、
    >きちっと防湿シートが入っていれば→黴びにくい
    と言う事になります。

  2. 北関東 より:

    ホウ酸が入っているというのは聞いたことがあります、それでカビ等を防止しているという事を思い出しました。
    でも、自然素材や調湿効果など、良い面だけのアピールかもしれないとの疑いの気持ちがあったので、もしかしたらカビてしまうのか?という疑問があったため質問させていただきました。
    といっても拙宅は費用の面からGWですが、、、
    いつもわかりやすい回答ありがとうございます。

  3. オーブルデザインの浅間 より:

    北関東さん
    コメントありがとうございます(何時も)。
    >さて、断熱材として使用するセルロースファイバーを使用した>場合は壁内でカビてしまっているのでしょうか?
    多分ご承知の上の質問だと思いますが、良い機会ですので
    お答えさせて頂きます。
    答えは・・・カビる事はすくないです。
    セルロースファイバーは古紙を砕いたもので自然素材と言えばそのとおりです。ですからそのままですとカビは無論、紙に繁殖する虫もセルロースファイバーの中で、また白アリだって古紙は好きでしょう。だからセルロースファイバーには防虫防腐剤としてまた難燃剤としてホウ酸がはいっております。だから絶対カビないとは言えませんが、きちっと防湿シートが入っていればカビる事はまずないでしょう。ホウ酸の人体への致死量は塩と同じ量ですから意外と毒性は低いですが、塩と違って味はしないと思います。・・・もしかしたら中霧島壁にもホウ酸が添加されるかもしれません。ホウ酸は安定しており長期間変化しませんから、最近は様々なところで使われております。

  4. 北関東 より:

    私が家を建てるとき自然素材をアピールする業者さんはいれど、デメリットまで説明する業者さんはいませんでした。
    そういった意味ではこういう情報を提供していただけることは非常にありがたいです。
    さて、断熱材として使用するセルロースファイバーを使用した場合は壁内でカビてしまっているのでしょうか?