素材を見直す 1

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2023.02.02 緑字で誤記修正

完成間近な原村の家。軽い外壁のSGLであるが半端ない重厚感がある。また玄関の方角からみると間違いなく高基礎の平屋建てである。

今日は氷点下-16度まで下がった原村の家(長野県諏訪郡)に完成前チェック荷伺った。

出来るだけ軽く洗練された壁まわりとしたかった。

薪ストーブのある室内であるが、ありきたりのレンガや石、鉄の重々しい壁を取り払って、軽い新たな薪ストーブ配置計画とした。遮熱壁はスチールであるがあえて壁と同色にしてその機能を持たせたまま壁に溶け込むトーメイ化。このあたりは建て主さんとその感覚が同調しすんなり設計のOKを頂いた。原村の家のメイン暖房はエアコンだからこそ、薪ストーブは演出でもあり停電時の安全装置であるため、主役というより名脇役的な解釈としてあくまでも軽い感じで火を扱う事を心がけ、重い素材感の薪ストーブをさらっと設えている。この薪ストーブへの新感覚は数年前の五日町の家でも同様で、壁まわりは誰も使った事がない数百円で販売されているコンクリート板を壁に使うという計画だったが、今回も新たな気持ちで計画した。

五日町の家(2017年)の薪ストーブ壁は安価なコンクリート板を壁に貼っている。ケチキュート(薪ストーブの商品名)とのマッチングが凄く軽い感じでこれもよかった。

その一方・・・

平坦な仕上げはあえて好まず一品一品顔の違う素材となる鋳型製法の取っ手。

今までの「緑の家」の家具取っては軽く目立たないように計画していたが、原村の家の家具の取っ手は逆にその素材感を存分に表す物をお薦めした。これが良い感じで、この取っては一品ずつ作る鋳型製法で、素材もこだわりの真ちゅうの素地のままに近い薄い表面塗装。つまりすぐに色は変わり独特の黄土色になる。この新品時の色でも栗の無垢材で出来た家具にとてもなじむが、さらに風合いがでて素晴らしい組み合わせになるとこの時点で感じ取れる。触れた感じも絶妙の太さと剛性感・・・。しかも指先に殆ど力が要らない引っかけ型だからバリアフリーでもある。価格もそれなりになるが、扉取っ手や家具取っ手など常に手に触れる部分の金属にコストをかけることは大賛成である。

造り付け家具の栗の無垢材との相性、素材感はベストかもしれない。

この家具取ってはこれからの「緑の家」の定番になるだろう。

取っ手が真ちゅうの圧倒的な素材感となると当然あの部分もその素材感に負けない物にしないとバランスが悪い。

一桁違う値段の真ちゅうの磨きプレートをおごる。金属はシングルプレートをあえて多用し美しく配置したい。

コンセントプレートとスイッチプレートも真ちゅうの無地。無塗装のため素の素材自身の色が比較的早い段階で現れ、鈍い黄土色にかわる。

さらに・・・玄関の取っても純正品から入れ替えて堀商店の40年前からの定番でLB-Rの真ちゅうの素地仕様。取ってだけで、普通の家の扉セットが買えるくらいであるが、そのデザインと存在感は秀逸であり、昔から何度か使っているが不滅のデザイン。その写真は取り忘れたが後日掲載予定。

「緑の家」のもう定番といってよいアイアンウッドの玄関階段。その階段の地組が幾何学の遊びのようなデザインで作られ、内部にはいつもは置き場の困るエアコンを設置。

そしてもう定番といってよいアイアンウッドの玄関階段。これは究極の白アリ予防といってもよい玄関足下周りとなる。この木の存在感は特別で格別。そして気持ちよい。

さらにこれほどこの照明器具が似合う玄関も珍しいと思う。

光反射が下方しかなくそれがこの高い位置の玄関と黒い建物に下から見上げる視点でどんぴしゃに似合い、玄関光に吸い込まれそう。

無塗装の杉の杢目と北欧のベーシックデザインと完全にフラットで割り切ったSGL(耐候性ガルバニューム)の外壁のバランスはホントに・・・やばいくらい。

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