明け方19度以下でようやく窓開けが良い。

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いつもの図。夏の外気の熱ポテンシャルは明け方でも日中と大きく違わない。例えば朝24度RH(相対湿度)80%も高い露点温度22.5度である。

夏は24時間空調したり、夜寝苦しいので朝まで25度程度で空調したりするだろう。その時今日の明け方のように外気23度だから空調をOFFして窓開けした方が良いのだろうか?

いいえ、それは昨今の電力逼迫から見てもNGである。

今朝の4時37分の山手高速道路上の外気温は20度で靄がかかりRH100%とのようだ。涼しく感じるが・・・これは錯覚。

今日は朝8時から長野県諏訪郡の原村の家のコンクリートの打ち込みだったので、現地には7時30分につくように朝4時に事務所を出発した。高速に乗ると朝靄がかかり車外の気温計は20度であった。この光景を見たときに、昨夜拝見したユーチューブ動画を思い出した。

それによると、昨今の電力逼迫で、エアコンはONが原則で他に家庭内でできる無理のない省電対策を議論する動画であった。その中で専門家が、熱交換換気(全熱、顕熱ともに)の場合は、外気温が室温より下がると逆に熱負荷が増えるので、バイパスなどの熱交換しない換気が必要との説明。それに同調して専門家が室温24度で外気が23度でバイパスが働く回路があるといい・・・と言っていたが、はたしてそうだろうか?

私はもし冒頭のように24時間空調や朝までエアコンをつけていたのなら、熱交換型換気扇にバイパス回路は必要無いし、使わない方がよいと思う。

空調された空気は26度RH(相対湿度)55%のエンタルピーは14.2kcal/kgと低い。

まず条件の整理をする。

夜から明け方までエアコンをONで室温26度でRH55%としよう。
外気は今日の朝として20度でRH(相対湿度)100%である。この状態で窓を開けるかというと私はあけない。その理由が上の湿り線図。この外気のエンタルピーは14.2kcal/kg。一方室内の空気も14.2kcal/kgである。つまり熱的なポテンシャルは全く同じ。つまり開けても全く同じ熱ポテンシャル空気の交換をしているだけ。私は湿った空気感が嫌いなので同じ熱ポテンシャルなら窓を開けない。もうおわかりだろう。しかも室内のあらゆる多孔質(家具、壁、天井、衣服、ソファー、ベット等)の湿気が低い状態になっているのに、そこに多湿の空気が流れてきて、温度以上に潜熱負荷が空気だけの計算以上に増える事が推察される。私が窓を開ける根拠はここになり、外気温が19度以下になればはじめて窓を開けるか考えることになる。

つまり動画で専門家の会話はどこをエビデンスとしているかわからない。外気が23度なら一般的にエアコンで空調している空間より高い熱ポテンシャルである。一方23度でもRH(相対湿度)が80%以下なら低くなる。しかしアメダスのデータを見て頂ければわかるが、今年の涼しくなり始めた7月1日から13日までの312時間で20度未満の露点温度(23度RH(相対湿度)80%の露点が20度)となった時間数は延べ32時間である。つまり1/10でありしかも殆どが19度以上の露点温度である。32時間と言っても開けても殆ど意味がないのである。当然今年6月の下旬は20度以下の露点温度が殆どない。

このようにある程度根拠が必要だと思う。私達実務者は容赦なく住人から何時になったら窓を開ければ無駄がでないのか?と問われることが多い。その時の回答としてエビデンスををいつも気にしている。よってまず大事なことは気象データと空調した空気と比べるときはエンタルピーでなければならず、これは気温と露点温度で見ることで簡単に判断できる。

明け方の気温が19度以下になる時は、既に秋が始まっており、本州を覆う大気は真夏の大気から秋の乾いた大気に変わっていることが殆ど。いつも思うのだが外気の変化はある日突然であり、ゆっくりダラダラ起こるのではない。つまりこの時にはエアコンの空調を行なわなくとも窓開けで日中を過ごすことができるし、19度では窓を開けて寝ると体調を壊す位の温度であるため、熱交換換気が無駄にはならないと体感している。

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