耐力壁検査 鹿嶋市の家

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太平洋側の木の外壁の場合、軒の出は1000mmにも簡単にできるので屋根が大きく、これだけで無難な家といえる。

茨城県鹿嶋市に建築中の鹿嶋市の家の耐力壁検査に先日伺ってきた。いつも通り往復800kmであり「風」が車検だったのでカングーで伺ったので多少腰のすわりがいまいちだった。

基礎表面が光って光の反射が強いことがわかる。

まず高基礎一発打ち込みの施工であるが、暑い時期のコンクリートにも関わらず、コールドジョイントも穏やかで、写真白矢印のとおり打ち放し専用型枠らしく表面は光っている。この基礎は、見積もり時では数社で「出来ない」とか言われ続けてきたが、実際はこのとおりしっかり綺麗に普通に完了。このくらいやれば誰でも出来る程度の技術。

次ぎに耐力壁であるが、今回も筋かいを中心としているため、合板による耐力壁のような問題はなく、節が大きすぎる箇所の材2本の取り替えだけだった。流石に半世紀以上慣れ親しんでいる筋かいの耐力壁である。ただ指定筋かい金物が廃盤となり仕様が違う物がついていたことで「廃盤品を指定しないでほしい」と施工者さんに言われたが、この廃盤品はつい最近の事らしく、今でも流通在庫はあるらしいので今週上棟した現場でも、また来週上棟する現場でも続けて使用する。巷では筋かいから建材メーカーの面材耐力壁に置き換わってきているらしく、筋かい金物の淘汰がおこっているようだ。鹿嶋市の家でも面材耐力壁を数カ所つかっているが、やはり釘のめり込みがみられ、実務で施工する大工さんでは浮き上がっているくらいならめり込んだ方が効きがよいとう間違った概念が払拭されるまではまだ時間がかかると思わされた。当然、めり込んだ釘は補修をして規定値になるようにする。この間違った概念は面材耐力壁が9mmくらいの薄い板ということを忘れ、無垢の厚板の時と同じように考えているからだと思う。もし解体をしたことがある人ならわかると思うが、9mm程度の合板に釘が錆びるくらいまで時間が経過した時に、その合板をはがそうとした場合は十中八九釘頭ごと合板から外れて釘だけ残る経験をしているはず。これはパンチングシェアと呼ばれる破壊で、合板でこれがおきると粘りがなくなり一気に耐力が失われるので避けた計画をする。つまり通常は合板耐力壁の最終破壊は釘がぬける方が先に発生するような構造計算になっている。

白矢印がめり込んだ釘。その中間に新たな釘CN50@75を打ち込んでもらう。

昨今の住宅は屋根にも高耐力を期待する厚物の構造用合板が使われているが、壁と違い更に多くの釘がめり込まれて打ち込まれる事に注意が必要。特に勾配天井を採用する登り梁の場合は、40年前から構造用合板12mmでN50をめり込ませて打っていたのでその傾向が強い。このためしっかりと確認しないと危険である。

こちらはある現場の28mm合板に打ち込まれたN75の釘。めり込みも許容範囲で縁離隔も全て25mm以上で規定値どおりの素晴らしい現場の写真。

上の写真は昨日上棟した新潟市に建築中の厚物28mm合板を屋根に使った現場の写真である。斜めに打ち込まれた釘以外はめり込みがほとんどなく合格点である見本のような釘打ちであった。これについてはまた改めてご案内する。

冬の澄んだ日には富士山が見られるという・・・。養生ネット越しでもその感じがわかる。

上の写真は富士山を見るためにこの方位に計画的に設けられた窓である。丘の上にあたり2階のどの窓から見ても景色がよく気持ちがよい。やはり2階に居室(家族の間)を計画して良かったと感じる。

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