無塗装の木の魅力 超仕上げ その3

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さて、「自然・無垢材の中で」超仕上げのすくない理由だが・・・

A.室内のインテリアで針葉樹がすくない。

B.木を無塗装でつかっていない。

C.超仕上げは手直しができない。

と考えられ、Aは「その2」で長々と説明した。その3ではBの続きとCの説明をする。

冒頭の写真でおわかりとおり、サンダー仕上げと超仕上げ表面の粗さは肉眼でもわかる。表面の粗さを見たら間違いなく超仕上げがよいと思うのだが、なぜ市場では超仕上げが少なくてサンダー仕上げが多いかというと・・・

近年ではヒノキなどの床であってもオイル仕上げする方が多くなったからである。これはその2で申し上げた、オイル塗りでないと素面が荒れる落葉樹で広葉樹の樹種の使い方である。この使い方が間違って伝播され針葉樹で常緑樹のヒノキや杉の生まれ持って脂がある床材にもオイル塗りされている。本来なら古くからワックスやオイルを塗ることなく使用されてきた杉やヒノキであるが、洋風のインテリアであるナラやタモ、サクラが多くなり、その時に染色がよくのるサンダー仕上げと同じ使い方になってきているためであろう。サンダー仕上げと超仕上げには液体の吸い込みには大きな違いがある。その可視動画下に置く。ご覧になって頂ければ納得するだろう。

素面では間違いなくシルキーな触感のよい超仕上げであるが、無塗装で使う人がいなくなって来たのでサンダー仕上げが巷では普通となってきている。

しかし・・・超仕上げされた無塗装のヒノキや杉の触感は間違いなく最高の足触りとなる。

さて最後の「C.超仕上げは手直しができない」であるが、サンダー仕上げの場合、完成前に傷がついても再び携帯サンダー機で擦れば傷はすっかり消えてなくなる。大変修繕性に優れた仕上げで、建設側には絶大なメリットである。一方超仕上げは、一度ついた傷を再び超仕上げで消すことは現実的にはできない。超仕上げは下のような機械で仕上げているので、床から剥がしてまた機械にかけなければならない。

日立コーキの小型超仕上げ機。これで巾240mmまで仕上げることができる。

貼ったまま手がんなで仕上げる事は熟練した職人以外できない技術である。従って傷に水分を与えても消えない傷は、その部分だけサンダー修繕となる。これはやむ得ないこと。この点を受け入れて頂ければ安価な節有りの床材も使えるのである。実は節の廻りは木目が反転、又は渦巻いていることが多く、どうしても逆目がでて木肌が荒れる部分がある。私は木には必ず節(枝のあと)があるのでやむ得ないと思っているが、価値観の違うかたもいるだろうからそのようなリスクを建築側は取りたくはないので、針葉樹(常緑樹)でもサンダー仕上げの床材を選ぶのである。しかしサンダー仕上げの床材は汚れに弱いが故にオイルで表面を覆ってしまわないと直ぐに汚くなる。そこでオイル仕上げをするが、この仕上げの触感は気持ち良くなく、水分をはじくためにべたつく感じになる。

超仕上げされた床材の節廻り(抜け節埋木補修)の逆目で荒れた部位。この程度ならやむ得ないと思われる例。

なぜ巷で「超仕上げ」された床材が少なくなったかがわかったと思う。もともと自然素材では均一な仕上げは大変難しく、時には逆目がでることを許容しなければとても高価な無節材だけを使用することになるか、針葉樹で常緑樹のヒノキや杉までオイル仕上げをする事になる。私感ではあるが・・・天然の油成分をもつヒノキ等にオイル仕上げする事は、畳表面のい草にオイル仕上げをするくらいの悪感触になってしまう。一方落葉樹で広葉樹のナラ(オーク)やタモなどは、元々自身で油成分の脂をもっていないのでオイル拭き取りをしなければ、逆に悪触感になるのでオイルを塗るのである。この性質を逆手にとって、「緑の家」ではナラやタモを無塗装で階段に使うことを標準としている。脂のない木の無塗装なので、細かいササクレが起き滑りにくい階段となる。ヒノキで階段板を作ると滑りやすく事故になる。つまりいつでも「緑の家」の仕様では安全性を優先することがここでも発揮されている。

サンダー仕上げの無塗装のナラの表面に水を垂らすとササクレが出来る。

最後に↓のリンクでこの話題を終わりたい。「緑の家」は事務所設立当時の26年前から一貫して無塗装の床をご提案してきた。その行き着く先は・・・以前ご紹介した55年経た無塗装のヒノキの床である。当時はカンナ仕上げ(超仕上げ)しかなく、光り輝いているのは正しい使い方であったためであろう。

改めて無塗装の床をお勧めする理由・・・②<br /> 55年経たヒノキの床
「改めて無塗装の床をお勧めする理由」にコメントを頂いたので急遽その続きである。 これ・・・なんだかわかりますか?百...

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