その1、その2でお伝えしたことを新築、既築別にまとめると・・・
長岡平野西縁断層帯地震では、震度6強は起こる可能性が高く地盤の悪い信濃川沿いでは震度7になる場合がある。また長岡平野西縁断層帯地震では柏崎刈羽原発も甚大な被害を受ける地盤であり過酷事故になると予想される。またそのような大地震の場合、冬期で無くとも交通の寸断、不通となり、早期避難の可能を考えた場合はできる限り迅速に行動をする必要がある。つまり地震が起きたときに直ぐに逃げられるような状態にする事が第一で、つまりそれは体が無事なように家が最低でも倒壊しない耐震性が必要になる。ということで、もし新潟県の中越地域での地震対策の第一順序は単純に倒壊させないことにつきる。建物が無損害でも原発の過酷事故が起きればその家の価値は0になるので、やたらに強い家を造ってももう住めないこともあり得る事を認知する。次に仕事中の日中におこることを想定したいが、これは条件が多すぎるので難しい。しかし震度7クラスの地震時には家族は分断され早期避難の行動が取りにくいであろうが、そこは日常から大地震が起きたときの想定を家族で話し合うことしか対策はない。
次に避難する話題になったので「どこへ避難するか」であるが、
オレンジ色のところが5強なのでそこまで避難すれば、ライフラインが正常の可能性がたかい。しかし放射能を含んだプルーム風を考慮した場合、三条からなら北へ移動することが良いと思われる(一部地域と夏期を除き南風が吹くことは少ない)。
新潟県の中越地方に大地震が発生すると、間違いなくライフラインより原発の過酷事故のほうが問題となる。その際はとにかく情報取得より早期避難につきる。よって家は倒壊しなければ体はうごき、家は最悪あきらめる事も考えて避難を第一優先とする。さて身体が無事な事を確保する場合にはどの程度の耐震性を必要とするかであるが・・・
新築住宅は耐震性を上げてもそんなにコストが増えるわけでもない。そこで積雪時を考えてその地域の設計積雪量(三条なら2m)を考えた耐震等級3の耐震性を標準とする。一方既築住宅の場合(所謂リフォーム、リノべーション)は、耐震性のみ補強して倒れない家を最低限確保することにつきる。その上で予算があるなら快適性を上げることになるが、しかしあくまでも既築住宅の耐震性は震度6で倒壊しない程度(現法建築基準法程度)しか通常アップ出来ない。これは以前から何度も説明しているとおり、基礎の配筋もわからないような家の耐震性は、現在の建築基準法程度にしか裏付けが取れないためである。これは基礎を補強しても同様で、基礎も基礎下も建物全部ばらさないと誰も詳細はわからないのである。全部家をばらすくらいなら、素直に新築にした方が早くコストも安い。そのくらい今の耐震設計(平成28年以降許容応力度設計の改訂)は変化しているのである。それはその4で説明する。