銅製(表面書処理)のプレートを特注。数ヶ月で色が変わるはず・・・。それが狙い。自然素材には経年変化する材料がふさわしい。
R2000+のプレートが入り、完成見学会の準備がほぼ整いました。この見学会は一般の人も参加できます。詳しくはこちら。
そして今日「完成」気密測定を行いました。
まず結果・・・
ジャーン C値 0.7cm2/m2
でした。これでR2000の基準をほぼ満たします。
実はこの建物のできた当時の気密は0.53cm2/m2(新大測定記録から)でした。それが23年後1.3cm2/m2と2.5倍も悪くなり、それをこの度のリノベーションで回復させたのです。気密施工の悪くなった数値を上げる事は並大抵ではありません。だから凄く誇れるのです。
実は・・・
今日第一回目の気密測定では0.84~0.82と振るわず、これに施工会社のロビンアートスタジオの代表「志賀」様が奮起して「そんなはずは無い、きっとここだ!」と言うことで何カ所か探してその内の小屋裏通気開口部からある程度風量が漏れていることを発見。そこを塞いで測ると0.7になったという訳です。
中間測定時は0.7だったので、良くて0.8くらいかなと思っていたのです。これは中間気密測定の数値から完成気密測定の数値は必ず落ちるためです。
私は100件程度の0.9cm2/m2以下の超高密の建物を測り続けてきた経験で、その原因も分っております。だから気密測定は完成時の測定がその「結果」であり、中間時の気密測定では「参考程度」でしかありません。
さて今回気密が維持できたのは・・・
今回の気密中間時を測った状態が新築の気密測定とは大きく違い、細かい納まりミスが各所にある建物の補修という普通では無い状態だったので、仕上げPB(プラスターボード)を貼ると気密上がるとの期待もあったのです。中間時はまだ一部PBが貼られてなく、このPBを貼る事で気密が増し、そして穴を開けた部分(換気扇、エアコン排気、ドレン、外部ブラインド貫通穴)がその上がった分を相殺して同じ数値になったと予想されます。
あとは外部ブラインド貫通穴に棒が入った時と、今回はまだ棒が入って無いので目張りした差が同じかどうかですが、これはまた1年後測定したいと考えております。
まずは施工されたロビンアートスタジオさんに感謝いたします。
床材は設計ではウリンであったが、上野住宅建材さんの在庫でサーモウッドを是非と言うことで使用した。
アプローチのやり直し工事。木が跳ねてしまい当初のデザインに戻しました。このブリッジのようなラフさがこの家にはお似合いです。
庇の下の凹みは外部ブラインドの納まる穴。木枠を取り外すとサッシが簡単に取り替え可能。これが60年住宅の条件。
庇の効果がわかるショットです。庇は左右にも充分延ばして窓を保護します。矢印はセントラル全熱交換換気のOA(取り込み口)とEA(排気口)です。OAの方はダイソンの掃除機のようなサイクロン効果自動除虫フードで、多少大きい代物です。
実はこのR2000+では実験的な要素が一つ入っています。それはこのお風呂の換気・・・。
排気用換気扇が無いのです。
えっ・・・
風呂がかびるのでは・・・
人が常時住む家とは違い、イベント時や体験時のみ使用するお風呂のため上の写真の循環ファンしかありません。この循環ファンは脱衣所の空気を強制的に100m3/hほど送り込み、湿気ごと空気を脱衣所に送り返します。脱衣所には流量150m3/hのRA(24時間換気扇の吸い込み口)が設置されているのでその浴室の湿気をしっかり吸い込む訳です。この時浴室の空気とRAが混じり希釈されるので、相対湿度が100%から大幅に下がり、その空気を全熱交換させているのです。風呂の芳香は脱衣所まででストップですし・・・問題なし!このシステムなら従来捨てていた浴室の熱気まで熱回収する事が可能です。このシステムは今までも行っていますが、一般住宅には予備として必ず直接排気用換気扇もセットでつけております。が・・・今回は省略しました。
一般住宅で予備排気換気扇無しというシステムを行うと、家中の相対湿度があがり(50%~60%)樹脂サッシ程度のU値(1.2w)では結露に至ります。今回の木製サッシはU値が0.8w程度と樹脂サッシより相当高いので結露がでにくいことが予想され、加えて常時人が住まないので相対湿度が低めで推移します。ですので、加湿器などで実際人が住んでいる状態を造り実験しつつデータを得ることも可能なのです。これは大変楽しみ・・・。
下の矢印が循環ファン。上が換気口SA。SAは既存の換気口を使用したため大きい開口。マテリアの壁紙が鮮やか。
もう一つ何時も循環ファンを個室に設置。「緑の家」ではこの場合は殆ど引き戸で、オープンに使うから成り立つ循環ファンですが、今回はまさに寝室だけの用途。だから室温20度があれば大丈夫だろうとの設定です。さて真夏はこの循環ファンだけでうまくいくか?・・・この高効率全熱交換型換気扇とセットなので大丈夫だとの判断です。
この飾り棚・・・上が平らではありません。この部分だけ発想的に遊びました。板はあの何度もご紹介している3層パネルですから、バームクーヘン的な木口が魅力です。そこでその模様を今度は地層に見立てて米国のキャニオンランズのイメージでデザインしました。「上が平らな事だけが甲板と呼ばれる訳ではない」という感じで・・・。
甲板先端は3mmと鋭角。キャニオンランズのイメージなのだ(なぜここでそのイメージかはさておき)。
この飾り棚は、殆ど方が首をかしげておりました・・・(泣)。でも素敵なオブジェを載せると絶対良くなります!!多分・・・。