ソーラーパネルの設置業者選び

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昨日から気温が急上昇・・・・。こうなると車のタイヤをノーマルに換えたくなりますが、ちょっと思い出し止めました・・・昨年は4月7日に下のとおり積雪がありました。とは言っても午後には消えてしまいましたので、仕事車でなければ換えてもOKかな・・・。

昨年は4月7日まで雪が積もった。もう忘れていると思いますが昨年も寒かったのですね。

屋根貫通のソーラーパネル

その設置方法は?

さて本題ですが・・・

戸建て住宅では太陽光発電パネル(ソーラーパネル)は屋根上に通常設置されます。その取付け方は金属屋根において一般的に2通りあり、屋根貫通ビスによる設置と屋根材自体を挟みつける事で、屋根を貫通しない設置方法です(瓦屋根は従来設置する雪止めと同じリスクになりますから除外します)。

金属屋根の折部分を挟んで固定するキャッチ工法

全国では屋根貫通ビス設置が一般的ですが、10年ほどまえから悪質業者による手抜き取り付けが横行し、数年経つと雨漏れ事例が多発しました。そこでソーラーパネル協会は、国の要請もあり設置に講習を受けた後、IDを発行し施工を専門化することで、不良施工防止に取り組んできました。よって今は少し改善されておりますし、比較的安心してどの業者にも設置をお願いできます。

出展 ソーラーラック施工マニュアル ビスを屋根表面から打ち込む施工方法

多雪地域とソーラーパネル

最近は新潟県が多雪地域という太平洋側気候と大いに違う環境のため、屋根を貫通しない工法が数年前から始まっており、その有名なメーカーがセキノ興産(富山県本社)です。

なぜ屋根を貫通しない方法を考えたか?
これは推測ですが、新潟県は雪が降ります。このため屋根葺きのシェアーは金属系が半分以上を占める特殊地域です。その金属で勾配のある屋根ですと雪が滑りやすく、写真のとおりソーラーパネルに外力(下へ追いやるような力)加わり、貫通した穴を広げてしまう可能性が高いと考えたのでしょう。最初の15年ほどは、屋根の貫通部分のゴムシールに弾力があり、しっかりと雨水を防ぎますが、15年以上経過したとき、そのゴムの弾力が維持できているかが疑わしいので、できればソーラーパネルを下へ追いやるような外力を与えたくなかったのでしょう。

通りがかりで見たある家のソーラーパネルの冬の景観。ソーラーパネルの上側には雪が貯まり、それが下へと押しやる力がかかる。

最近お問い合わせがあり、この貫通しないで挟み込み工法と貫通する方法をご説明しました。ところがある設置業者さんは・・・

「ここは風が強いから貫通方法がよい。挟み込み方法は風に弱い。」と言っていましたので、私が
「では挟み込み工法は風速何メートルまでならよいのですか?」
と聞いたら
「決まっていないし・・・わからない」
と言っていました。

・・・???わからないならなぜ風に弱いといえるのか?

ソーラーパネルで新潟県の基準風速は?

建築基準法ではその計算上の基準風速は決まっております。新潟県は佐渡、粟島と一部を除き、30m/sです。その外風が基準となり、最低この風以下では建物の屋根や壁が飛ばされてはいけないのです。つまり、
「ここは風の強い場所だから・・・」
と言う事は意味が不明で、所謂・・・例の「感(勘)」なのでしょう。

実はセキノ興産さんの挟み工法(キャッチ工法)にも下のとおりしっかりと設置基準資料があり、地域的には問題なかったのです。がなぜ設置業者さんは「風に弱い挟み工法」と言ったのかは不明です。やはり最後は取付け業者さんの「感」と「持論」で決まるようですが、それは推奨しません。しっかりと30m/sまで大丈夫と客観的評価で説明してもらえる業者さんの方が信頼できます。

いずれにせよ、キャッチ工法は雪国のためにうまれた工法でありお勧めですが、価格が1割弱高くなる事をどのようにとらえるかが判断基準となります。こんな説明を行ってくれる業者さん(設計者)がお勧めです。

出展 セキノ興産キャッチ工法資料

出展 セキノ興産キャッチ工法資料 新潟県は基準風速30m/sなので、30m/sまでは設置可能。

キャッチ工法にもリスクはある。まだ施工開始してから4年程度の実績。今後挟んでいる部分の電蝕の可能性がある。挟んだ所は写真のように深く傷がつくので。

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コメント

  1. オーブル浅間です。 より:

    おのづか様
    コメントありがとうございます。
    >小千谷より北では太陽光発電は有り得ません、
    >過激な発言ですが
    相当過激なお話しです(笑)。
    >これでは同じイニシャルコストかけた施設を
    >償却するのに不利ですね。
    全くそのとおりです。
    >挟み込みの押さえ金具ですが太陽光パネルの寿命
    これはその素材が今普通に使っている雪止めアングルを固定する金物と大差がないので、その金物だけ見れば皆さんが使っている雪止めと同じ寿命と言ってもよい気がします。如何でしょうか?メッキ量がちょっと違いますが・・・。多分それより昔の瓦棒葺き板金屋根にあった雪止めアングル固定金物と同じように、その金物が締め付ける部分で電蝕を起こすことが想像できます。そのところはおのづか様が詳しいのでその事をおっしゃっていると思います。
    パネル下は・・・13年迎えた家(新潟市内)がありますが、今のところ大丈夫です。
    >また雪国の屋根に穴を開けるなんてもってのほかです。
    おっしゃるとおりです。が・・・大きな声でそれを言うと夜道を歩けないくらい(^-^;今太陽光発電には勢いがあります。
    >マイクロ水力発電なんてのはどうですか??
    いいですね。環境に影響がすくないマイクロ発電は賛成です。

  2. おのづか より:

    小千谷より北では太陽光発電は有り得ません、過激な発言ですが新潟県(日本海側)では日照時間の問題でかなり太平洋側から見たら不利に思えます、日本の最高日照時間が年間約2,200時間(山梨県甲府市)新潟では1,600時間、我が小千谷市では1,500時間(全国でもワースト10に入ります)これでは同じイニシャルコストかけた施設を償却するのに不利ですね。
    挟み込みの押さえ金具ですが太陽光パネルの寿命(17年から20年)より短いような気がします(数年ごとに塗装、またパネルの下はメンテランス不可能)のは私だけでしょうか??また雪国の屋根に穴を開けるなんてもってのほかです。
    雪国新潟ではこの雪が解けて出来る水でマイクロ水力発電なんてのはどうですか??