網戸を廃止してからもう10年経過。今ならようやく受け入れられるこの提言は、もう10年前の2015年の下のブログで宣言。
10年前はまだ通風が省エネで推奨されていたので、このことを提言した時は結構大変な逆風だった。今、通風推進住宅はどこへ行ったの?シレっと様変わりする住宅業界である。
カビが原因で室内の匂いが古臭くなり、そのため家の建て替えを検討することが、家の建て替えの第一原因という仮説を唱えてからも10年になる。今年から実質高断熱高気密が義務化され、その断熱のせいで一度高くなった室温は窓開けでは簡単には冷えず、今の新築では夏益々暑くなる。そこで冷房を使うわけだが、この冷房を24時間使わないと夏カビの原因になる。その理論はこちらにあるが・・・となると夏の窓開けは必要なくなり、網戸が不要になる・・・ということ。
そんな事を考えつつ、先日美幸町の家に1年目のアフター点検で伺ってきた。

「緑の家」では珍しいALCの外壁を持つ。メンテナンスが30年ほど必要ないその外観は今穏やかにその佇まいを見せる。

庭へすぐ出ることにできる設えしているが、当然網戸なんてない。伺うと幼少から人生の多くを窓開けで夏を過ごしているはずの私とほぼ同世代にもかかわらず、もう窓を開けることはないという。当たりまえだが当然のこと。


この湿気のない空気。そのためにデシカが設置され、2度の夏をエアコンさえも一切使っていないのに床下でもRH(相対湿度)51%と室温23.6度。だから露点温度は13度(絶対湿度では10.8g/m3)。エアコンがないのに湿度は低いばかりか室温まで適正。外気は軒並み33度にも上がっている新潟市でもこんな感じ。換気量は夏だからと言って絞ることもなく225m3/hを超え一般住宅の2倍程度にもなる。でも繰り返すが露点温度は13度(絶対湿度では10.8g/m3)。恐るべしデシカの調湿能力である。私は絶対湿度という一般の人にはなじみがなく実感もない指標より露点温度が好ましいとこちらも10年前から伝えている。湿度管理は10年を経てようやく市民権を得てきた。
