2014年の建築学会の報告された論文。九州ではこの分野では第一人者のラボ。
論文とは様々で、多分この論文は・・・シンプルな論文(汗)ですが、ここからわかるものが面白いので取り上げました。
さて何が面白いか?
この論文は最近多い基礎断熱(「緑の家」の基礎断熱)と少し知られてきた「床下暖房」を組み合わせたときに、断熱材の計画の仕方で暖房費(電気代)がどのようになるかをシミュレーションしたものです。
3つの断熱パターンがあり
左:一番簡単な立ち上がりのみ
中:一番多いタイプ、「緑の家」もこのタイプ
右:スラブ下にまで断熱材を入れるタイプ
これを同条件で予測した結果が緑色で示したところ。それによると
AとCでは年間暖房費が12MJ/m2年違う。この数値だとわかり難いので具体例でしめすと、
延べ床面積100m2(30坪)、暖房COP効率3、電気代27円/kwhとすると
12MJ/m2→4500円/年となります。
30年の差額は13.5万、15年目で電気代が倍に高騰したとして27円/kwhから54円/kwhときは20万です。
さてAからCへ断熱材を増やす施工費は3500円/m2とすると17.5万です。
そして床の表面温度は同じ・・・
さてどのタイプの断熱施工を選びましょうか。
ただし、このシミュレーションの条件は九州地方であること、スラブ下の土の熱貫流率は明記されていないことが少し引っかかりますが・・・。