先週西大崎の家が上棟し、その工事監理(検査)に伺ってきました。
ここまで多く筋かいを使わないと耐雪1.3mで耐震等級2以上はとれない。構造最優先は「緑の家」のポリシー。
三角形を造り地震に耐える筋かい。この軸組が美しく感じるのは昔のトラス構造の橋梁と同じ理屈。
「緑の家」は筋かい※を中心に耐力壁を構築してきましたが、数年前に合板12mmのシングル貼りで筋かいダブルと同じ耐力認定が取れ、実績も出来てきたことから少し考え直してもよいかもしれません。
※筋かいとは45×90以上の材で柱と梁でらめ三角形を造ることで地震などの横方向の力に耐える事ができる部材や工法のこと。
筋かいに拘ってきたのはオーブルデザインの無垢材に対する想いと強さ(高倍率)の2つで、近年は大工さんの要望で断熱材を入れる手間が大きいとの事・・・。であれば12mm合板を使う事で、筋かいダブルと同じ耐力が取れるようになったため、使わない理由も無垢材だけとなってしまいました。柱、梁を無垢材に拘る建設会社が耐力壁に合板やそれに類するボードを使うのに、柱と梁は無垢材でも集成材もよいと思っている(集成材の方が強度が高いので新潟県では柱、梁は集成材の方が構造的に有利)「緑の家」が、同じ耐力が取れるなら合理的な断熱施工ができる合板を使わない理屈はありません。
さて今後どうするのか・・・少し事務所内で整理してみます。
コメント
返信いただきありがとうございます。
目指している家がガル換算で東西南北2000gal、水平加重で家の2倍の地震力でも損傷限界角1/120に収まる必要壁量を確保できる家を目指しているのでちょっと気になりまして。
まぁやはり接合部がネックですよね。多少値段が上がってもドリフトピン工法にする、壁量を増やす、屋根外壁をガルバで固めるといったところが対処法になるのか?平屋なのでまだなんとかなると思いますが。
N様
コメントありがとうございます。
>両筋交いは一番手軽なのでしょうか。
手軽ではなく・・・検査が簡単、無垢材(実績100年)、、適度な応力、綺麗ということですね。タイベックのそうだったように一企業で定めた建材類は時間経過後の想定外がよくあるので・・・。
>面外座屈が怖いので、
国が定めた検査で決められた倍率ですから、正しく設計・施工すれば全く問題ありません。こういったことはよく言われますが、座屈した現場の筋かいを正しく一本、一本確認してでた結論とは思えません。工事監理にいくと、ほぼ全ての工務店さんで、基準外の節のある筋かい材を使っております。中央に基準外の節でもあれば、簡単に折れたり座屈しますし、釘を中央分に打っていない現場も多数です。ようは正しく施工されていない事が原因でそのようなことが噂になります。そうで無ければ威信を掛けて数十年も前から決められている仕様基準の改正が行われるはずです。
>壁倍率7倍が今のところ一番いいのかなと思っていたのですが
壁倍率7倍の端部柱にかかる引き抜き力を考えると・・・7倍は躊躇します。少なくとも当事務所標準のHSS金物では推奨する金物外の引き抜き強度になりますし、もし仮に引き抜き強度が50KNにもなると・・・
普通の基礎高さではほぼNG・・・つまり壁高倍率は基礎の強化も一緒に行わなければいけないので、当事務所では6.5倍以内で計画します。ご存じだと思いますが通常のM16アンカーボルト一本では50KNを超えると通常NGですし(埋め込みが750)・・・。つまり2本いる事になりますし、それに見合った端部接合金物を用意する事になります。
更に、壁の高倍率化は床の水平面剛性も強くしなければならない場合があります。一つの壁が高い強度であればそこに応力が集中するので耐力壁線の区画も同時によく考える必要があります。
3階建ならやむ得ませんが2階建でそこまでする理由があれば・・・と考えております。
やはり得られる壁倍率とコストや手間を考えると両筋交いは一番手軽なのでしょうか。
個人的には面外座屈が怖いので、モイス+耐震石膏ボードで壁倍率7倍が今のところ一番いいのかなと思っていたのですが、リクシルのアラテクトを使えばさらに壁倍率を上げられるのではと思います。
ただあまりに壁倍率が高くなるとやはり問題が出てくるのでしょうか。