この写真をよく見て・・・。数年前伐採した木の根っこが残っているところ。
まだ仮説ですが・・・
あの堅そうに見える土の中をいとも簡単に白アリは移動しております。クロアリなら土を掘る事に長けていると思いますが、白アリは土を掘るところを見たことがありません。たぶんあまり得意でないはずです。ところがこの現場でその移動方法がわかりました。
休日、日曜日になると当ブログの閲覧者数は半分以下になります。つまり当ブログは企業関連の方(仕事で)が半分以上を占めていると考えられます。特に最近は同業者さん向け内容にもなってしまっており、ここで少し修正をしたいと思います。よって原点に返りこれから家を建てる建て主様向け情報発信(専門用語や難しい理屈は避ける)を主にしたいと思います。
先日、「緑の家」で白アリが発生したと申し上げました。
「緑の家」で白アリが発生するのは3度目です。こんなに注意していても発生する白アリ・・・。
でも他の工務店さんやハウスメーカーでは聞かないよ、「緑の家」がおかしいのでは?
と思っていらっしゃる人も多いでしょう。なぜ聞かないかは・・・簡単な話、この建築業界に力関係があるからです。
何時もこの時期になると過去のこの内容をご紹介しております。今日poruko様からコメント頂き「おおーそういえばこれをご紹介しないと・・・」ということで去年その内容をまとめたブログへのリンクを置いておきます。
天然素材の「緑の家」にお住まいの皆様におかれましては必ずお目を通して下さい。
天然素材の家でない方はスルーして下さいませ。
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-a254.html
是非拡大して。何時もこうなるとは言えないが思わず撫でたくなるような綺麗な表面。隅にあるアンカーボルトM16 (引き抜き30KN)はテックワン工法専用の低い出寸法。
この工事で使用したコンクリート強度(呼び強度は33~36)30N/mm2で水が少ない堅いコンクリートですが、施工が優れているせいか予想通り美しい基礎ができています。
法律で長期優良住宅が定められた3年前から当事務では30N/mm2が基本です。時代は長期優良住宅(コンクリート造)が定める30N/mm2が標準です。それはこれからも続き、これが標準となります。既にこの結論は時代が下しました。
最近のオーブルデザインの高基礎は、基礎の表面をモルタルで補修しません。
所謂「コンクリート打放しのまま」です。なぜか・・・
それはシロアリ侵入防止の一つです。
木造住宅は、建築物のなかでも大変軽量な建物ため、その基礎は鉄筋コンクリートであるにもかかわらず、今まで重要視をされてきませんでした。ところが長期優良住宅認定が行われるようになった昨年から、少し構造が改善されてきております。しかしまだ緩いところが白アリ対策です。
当事務所の「緑の家」の基礎は、コンクリートを一回で打ち込む「一発打ち施工」を標準で行っております(もう5年以上前から標準)。2回分けて施工するより、材料費と型枠に手間が掛かるので一般的ではありません。普通の工務店さんはやりません。なぜ目立たないこのようなところにコストをかけるのでしょうか?
それは、やはり「白アリ対策」なのですね。白アリの被害はその予防と修繕に多くの費用が掛かります。白アリの被害をほっとけば耐震性も危うく成ります。
下の写真をご覧ください。
これはある大手メーカーの基礎の立ち上がりとベース(べた基礎のためスラブ)を写したところです。雪が降って基礎の内部側に水が貯まっているのが換気口から見えますね。たぶんその水を抜こうとベースと立ち上がり境に穴が開いてます。たぶんこの穴は後日モルタルで埋めるので問題ないと思います。
しかしよく見てください。この基礎の立ち上がりとベースの境目にはおびただしいジャンカ(コンクリートがしっかり入りきらないで砂利が見えるところ)があり、その部分から水が染み出ています。水が染み出るという事は、小さな穴が内部まで貫通しているという事です。その微細な穴から白アリが内部侵入してきたら、いくら基礎断熱の内側断熱材施工であったとしても簡単に内部に入られてしまいます。
ジャンカ自体はモルタルで埋めればある程度強度は問題ないのですが、この程度のジャンカがこのように全周に渡ってあるときに補修はしないでしょう(この現場もしていない)。
上の写真の直ぐ近所にある「緑の家」の基礎です。雪がもう溶けましたが内部には水が結構たまっています。でも・・・
水漏れが外周にありませんね。ここが一発打ち込み凄いところです。施工も丁寧にしているため表面のガラス質が均一にでき容易に水の出入りを許しません。と言う事は白アリも容易に侵入はできません。だから基礎内断熱が生かされます。コストが仮に30万多くなっても、将来白アリ被害で補修や予防するよりずっと安価です。
たったこんな事ですが、これが白アリに対し強いバリアを構築します。如何ですか?このような設計や計画は家全体の事を知っているからできるのですね。パーツ、パーツの専門的知識も重要ですが、設計者は指揮者でありるべきです。全体の把握と調整をするのが設計事務所の設計計画です。
基礎にこそしっかりした計画と施工がされる会社を選びましょう。
家の設計はバランスに尽きます。いくら地震に強い家でも、寒い家なら長持ちしないし、いくら自然素材を多用した家でもシロアリのことを考えていない家は耐久性が低いでしょう。高気密高断熱で暖かくても、地震に弱かったり耐久性がない家でもだめですね。本当に良い家はすべての性能が高次元バランスで成り立つものなのです。
緑の家のSSプランは、シロアリに対して至高の方法を標準としています。最近のシロアリ被害は、玄関付近と風呂、勝手口付近に集中しております。これは、今の99%の住宅で土と接しているところが玄関付近と風呂、勝手口に限定されるためです。土壌型シロアリは、巣を土の中に造ったり、地中から家に進入する事がほとんどです。このため土と接しているところが加害部分になるのです。特に玄関部分はどうしても土と接っしなけらばならない機能を持ち合わせているので、家のしろありに対しての一番の弱点となります。だからこの部分さえ注意すれば、玄関部分の侵入を著しく防ぐことが可能です(緑の家の場合)。
上の写真は一般の家の玄関部分を作っているところです。このように土と玄関戸は接しているので、ここからシロアリが侵入してきます。
それに対し緑の家のSSプランの家は玄関ポーチ下が空間なのです。また玄関ポーチのコンクリートは外壁や玄関戸と接してません。だからシロアリの侵入が困難で且つメンテナンスが簡単なのです。
県内でここまで気を使う設計はないでしょう。
「シロアリ予防に対しここまでやる必要があるのか?薬剤予防でよいのでは?」
といわれたこともありますが、SSプランの家は100年以上の住宅のあり方を真剣に考えて提案しております。耐久性に最も大きく影響を及ぼすシロアリの加害にはできる限り注意を払いたいと思ってます。特にシロアリを引きつけやすい「基礎断熱」工法は注意しすぎることはありません。基礎断熱工法は安易に採用してはいけません。
また薬剤による予防は、所詮「化学物質」です。その効能は長くて10年(加圧注入でも30~40年)で且つそのほとんどが危険で中止になった歴史があり、40年も継続し販売されている薬剤は聞いたことがありません。物理的に半永久なこの方が理にかなってますね。当然ヒバ油とか炭とかという自然素材はおまじない程度の効き目しかありません。その情報は先日ブログで紹介したシロアリサイトに詳しくあります。
どうですか? あなたの家の設計者は、シロアリ予防とメンテナンスをしっかりと説明しバランスよく提案してますか?