阪神淡路大震災で学ぶもの。

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昨日阪神淡路大震災から13年を経った。NHKでは何度となく現地の模様が報道されていた。その中でインタビューに答える多くの人が、「忘れない。風化させない。」と応えていた。この「忘れない」という主語は何であろう?また風化しては困るのは何だろう?その部分はカットされているのか、それとも応えた方があえて言っていないのかわからない。皆さんは何だとお思うだろうか?夜の10時からNHKで放送された「命のセーフティーネット・・・」ではそんな「主語」をしっかりと報道した。これには国営放送の大切さを感じる。(製作はNHK大阪であった。)

思い返すと阪神淡路大震災で亡くなった5千人以上の方は、圧死である。朝早く起きた地震は、住民を守るはずの家なのに容赦なく就寝中の人への凶器となった。昭和56年以前の基準で建てられた住宅は、震度7クラスの地震で倒壊する。また昭和56年以降の建築であっても、正しく建てられていない建物(大部分の木造住宅が該当)は倒壊又は補修不可能な被害を受ける。どうしてそんな現実があるのにインタビューでは主語が消えてしまうのか?もっと厳しく地震がいつでも起こるという現実を受け止めなければならない。キッチンやお風呂を新しくする前に、耐震補強をする事がとっても重要であるし、我々プロはそれを薦める任務がある。

一週間程前に家を計画している人から、現在相談している工務店は「行政の完成検査が終わってから小屋裏を造ろう」と言っているが問題ないのか?と聞かれた。問題外の工務店だ。小屋裏は法律で禁止はされていない。正々堂々と建てればよいではないか?つまり法律沿わない基準の小屋裏を造ろうとしているのだ。無論こんな家を造る人は、耐震性の計算なんて全く考えないのだろう。建築のプロが違法を薦めるという信じられない現実がこの数年で2回も大きな地震に見舞われた県内でさえも日常的にある。それをおかしいと思わない建築主も問題であるが、建築主の多くは、違法建築でも地震には倒れない家を造ってくれるだろうという「暖かい」?気持ちがあるのと解釈したい。

NHKの放送した「命のセーフティーネット・・・」の中で面白い地震対策を見た。防災ベットというスチールの天蓋で囲われたベットだ。この中で寝ていれば、木造住宅がつぶれても命は助かるという。http://www.houei-k.co.jp/

また耐震補強が充分でなくても補助金を認めると言う自治体もある。これは賛成であるが、あえて一言!!もし低い基準で耐震補強をおこなったら、その旨を玄関の見える部分に掲げてほしい。そうでなければ税金を投入したのに、その家に遊びに来た人や、譲り受けた人にちょっと危険だよと言う事が伝わらない。中越沖地震でよいと感じたことは、被災地建物の玄関に「要注意」と か「危険」とか貼り出された。確かにこういった建物には人は安易に近づかない。だから何とかしようとする。乱暴に見えるがこれが耐震補強をするきっかけとなるはず。法律改正でこんなプレートの義務付けが、耐震改修を加速させるひとつの方法であり、結果として人命を守ることになる。(相当抵抗があるだろうなーー(^_^;   )右は法律で定められた積雪プレート。これを見てその家の屋根に3mの雪があったら中に入ることはしないだろう。

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