新潟 「緑の家」の 性能表示 耐震等級2 の意識と現実

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3枚の図は、日本女子大学の平田准教授の建築学会の雑誌に載っているコラムからの抜粋である。

住宅の耐震性に対し建て主(予定あり18%、未定等82%)が、どのように考えているかをアンケート調査した結果である。それによると性能表示で定める耐震等級2、3(法律の耐震性のそれぞれ1.25、1.5倍の高い耐震性)を望む方は、63%と過半数を大きく超える事がわかった。  また、耐震強度に関する情報を設計者と対話したいと考える方は、90%にもなる。

ところが、新潟県の戸建住宅ではこの性能保証を利用する建て主はほとんどいない。いないだけなら良いが、たぶん耐震等級1(建築基準法ぎりぎり)の建物がほとんどのはず。というのは、耐震等級2の基礎は、制限が大きく、布基礎であれば立ち上がりの高さ(地中30cm+地上40cm)が70cmは最低必要であり、べた基礎なら地中梁による区画がしっかり確保されていなければならない。しかし巷でそのような基礎を見ることは少ない。特に人通口は基礎梁の計算で満足しなければならないので、標準の人通口ではNGとなる。ということは、一番肝心な基礎が等級2以上を満たさなければ、いくら上部木造部分が良くても等級1の耐震性になる。

このように戸建住宅では最も重要な安全性おける建て主さんの希望と現実に大きな差がある。

ここで面白いことはこのアンケートの返答者中、家を造る事はまだ未定という人が80%なので、曲がった情報がハウスメーカーや建設会社からもたらされない。そのため耐震性に対する純粋な気持ちと読み取れる。そうでないと、営業トークによる洗脳(基準法を守れば大丈夫!とかこの家は強い構造ですから・・・とかという根拠のない押し付け情報)で、耐震性は二の次に!と意識が変わるはず・・・。

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