温熱の快適さで人に影響を与える6要素
1.空気の温度(乾球温度)
2.輻射熱
3.空気の湿度(湿気)
4.気流量(風)
5.着衣料(衣服)
6.代謝状態(運動状態)
ですね。
またまたエアコンの高効率まで話題がたどり着かないような始まりです。
上の5.の着衣と6.代謝状態は自分である程度制御可能です。暑ければ服を脱ぐし、走り回る事はせずじっとしているでしょう。
その他4つは何かしないとコントロールできませんから、この4つについて考えます。
この4つ中でエアコンで制御できる物は3つあります。
1.温度
2.輻射量
3.湿度
です。(おっ 今日はエアコンという単語がでてきた)
1.は当たり前の事です。
2.は夏の室内暑さを考える時に専門家でも見落としがちの事です。
貴方が真夏、日中家を数時間留守にして後、家に帰ってきました。
暑いのでエアコンをON!直ぐに冷たい風が出てきて快適!
温度計を見ると34度あった室温が10分で27度に下がっていました。
エアコンも今までうるさいくらいに力強く運転していたのが急に
静かになりました。
ほっとしてTVを見ていると何となく暑く感じます。
温度計を見ると27度。おかしい、この温度なら涼しいはず・・・。でも暑い。
壁に近寄るとなんか異様に火照る顔・・・
そうなんです。一度34度で数時間暑くされた家は、壁、床、天井、家具その他全てが34度になっているのです。エアコンONで10分経たないうちに空気が27度になったとしても、壁はまだ32度以上はあり、容易には27度になりません。このように周囲の温度が体の表面温度28度より高いと、人は室温が低くても暑く感じるのです。
真夏冷房ON後の車内の空気環境。輻射熱さえなければ33度湿度28%でも意外と大丈夫。この湿度計持ち運びできて重宝してます。
夏の車内もそうですね。車のエアコンをONすると車内はあっと今に50度から30度まで下がりますが、シートやダッシュボードそして一番影響があるのガラス窓を通して入ってくる輻射熱が・・・。直射日光でなくとも隣の黒い車の表面が60度もあれば、そこから発せられる熱い輻射熱で、車内の温度が30度でも暑いこと、暑い事。汗が出ます。
このように輻射熱は見落ちしがちですが夏の快適さに大きな影響を与えます。
昨日のブログでの写真からわかるとおり、当事務所内は常に27度から28度(日中)で一定にしており、夜は26度から27度で24時間エアコンを止めません。そして昼間でも窓のカーテンは閉める。これが高い室温でも快適と感じる秘訣です。壁や天井、床は、机、本、窓、全ては27度から28度で暑い熱輻射が無いのです。だから28度でも先ずは大丈夫なのですね。仮にカーテンを開けると隣のビル表面が40度位に熱せらているので強烈な輻射熱が顔に当ります。当事務所のガラスは普通ガラスで熱反射ガラスでないので強烈です。
さて、これで輻射熱の大切さがわかって頂けたと思います。要はエアコン連続運転で壁や床の温度を下げると高い室温(28度)でも快適なのです。少し買い物程度で留守にする時は、エアコンを止めない事が良いのです。逆に言えばエアコンしか効果的な冷輻射環境が作れません。市街地では真夏の熱輻射を回避する唯一の機器ですね。偉いエアコン!
エアコンを止めて暑くなった部屋を強烈に冷やしている時は、エアコンはとても無理をして大きな冷房運転をします。この時に効率が悪くなるのです。車で例えると登り坂を時速100kmで走るような状態です。これでは効率が悪いですね。また冷たい風が体にあたり、一方風が当らないところでは壁、天井からの熱輻射で暑い。これでは体のセンサーがおかしくなります。
エアコンを高効率で使う「その一」はエアコン運転を平らにする事です。数日間暑いとわかったら連続冷房運転をしましょう。きっと今までとは違う快適さが生まれます。但し断熱材がきちっと入っていない家では輻射熱のコントロールができません。つまり外の熱が室内壁に容易に伝わる家はあきらめましょう。最も大事なのはやっぱり器(家の構造)・・・だよね。
次は最近はまっている「湿度はエアコンで下げる」です。それは「その4」で・・・