雪が多い時に思う。家に一番大切な事は耐震性!

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知ってますか?

新潟で建てられる木造2階建ての多くが雪のない関東で建てられる耐震性と同じだって事を・・・。

「あたりまえじゃないの?」

と思われる方。

ではなぜ阪神淡路大震災後、瓦の家は屋根が重いので地震には不利と言われたのでしょうか?雪の1mの重さは瓦(引っ掛け桟瓦)の7倍以上もあるのに・・・ 

と言うことは雪のない関東の家と同じ基準で建てると地震に弱いのでは・・・

そうなんです。雪が屋根にある時に地震に襲われたら・・・

考えただけでも怖いです。

この原因は普通の木造2階建てでは、構造計算しなくてもOKという決まりがあるからです。構造計算をしなくてもよいかわりに、簡単な壁量チェックがあるのですが、この壁量チェックに積雪の割増しが定められていないのです。但し性能表示住宅で耐震等級2以上の家や、長期優良住宅の「認定」※を受けた家は雪の重さを考慮してますので一応安心です。

※・・・長期優良住宅の「仕様」だけでは×です。「認定」が必要です。

ここから先は実際の具体例です。
多少専門的なので興味のない方はスルーしてください。

家の安全性は地震が来た時に倒壊することなく(耐震性)、台風が来ても家が飛ばないようにする(耐風性)の2つで考えます。

上表は、耐雪1.2mで耐震等級2の評定を頂いた構造計算の結果です。
等級2では壁量チェック(構造計算をしていない)より構造計算した地震力の方が2.38倍多く必要との結果でした。
表の左部分は台風力の壁量チェックとの比較でこちらは1.49倍となり実は、
壁量チェックの場合は地震力ではなく台風力で決定される場合が多いのです。

一方構造計算では・・・

しかし耐震性で構造計算すると赤丸のように0.98と限りなく1に近くギリギリでOKとなります。次に耐風性で構造計算すると

台風力である耐風性2等級(最高等級)で計算した結果は上の通り0.517倍と相当余裕があり、構造計算では耐震性で家の安全性が決定される事がわかります。

ここが積雪地である新潟県の怖さです。台風の多い太平洋側を基準として考えられた壁量チェックでは積雪地の家の地震力では厳しいですね。でも長期優良住宅認定を受けていない建物多くが、この壁量チェックしか行いません。

積雪1.2mでこの結果ですから、1.5mまで大丈夫とかと言って雪の重さだけ耐えられる設計では×です。やはり構造計算をして、できれば長期優良住宅「認定」を受けた方が安心です。

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コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    こんにちは。
    屋上菜園の雪はほったらかしです。(o^-^o)
    一晩に40cm積もっても軽い一時の雪ですので、海風が吹く寺泊は約2日でなくなります。一応町の設計積雪は1mですが、海沿いは全くあてはまりません。
    勿論、雪のあるところは(東北なら)それを見越した構造にしないといけませんね。
    人間は経験則により楽観的に考えるような思考回路があるので、雪が沢山ある時に地震が来ることはないだろう。またなかった。と言うように考えるのでしょう。
    ですので専門家だけでもしっかりと心にいつもとめて置かなければならないと思ってます。

  2. kotaro より:

    本当に今年は大雪ですね。雪おろしで亡くなられた方がたくさん出て、行政的にまた家の構造的になんとかならないものかと思っていました。今回の耐震性と耐風性の二つの観点からの安全性の考え方は大変勉強になりました。雪が屋根にある時に地震に襲われたらとの想像もしくは想定まで行きつく人は少ないのではないでしょうか。浅間さんが主張されているきちんとした構造計算は重要だと再認識しました。ところで実験中の屋上菜園にも雪がたくさん積もったものと思われますが、ここの雪かきはどうされたのですか。