一昨日のの地震(余震)でなんと震度5でしかないにもかかわらず東通原発、六ヶ所村最終処理場の外部電源が失われ、非常用電源だけが頼みの綱になりました。この発電機が失われれば福島第一原発と同じくなり、大事故になったのです。またその後、非常用発電のオイル漏れが起きて発電機が故障したとの事・・・。家に例えると地震で家が傾き、柱が折れ最後の柱1本で支えて残った状態です。
そうか!原発の耐震性は震度5の設計!なんだ私達建築士が設計する家より悪いのか・・・。
原発の耐震性とは「放射能の安全性」の維持につきますし、住宅では「住んでいる人を倒壊から命を守る」事が耐震性です。ならば「緑の家」の住宅は震度6を超え(震度7付近)までを目標としています。となると住宅の方が耐震性があるのか。なるほど。それは安心。
となぜか皮肉モードになります。
というのは建築士として今回の事故は大変ショックを受けました。あれほど「原発は安全」と国(専門家)と電力会社は口を揃えて言っていたので、それを完全に信じていました。
私どもが造る家の構造計算は国が編集した書籍やソフトによって行われています。だから私達実務者は今後何を信じたらよいかと思うような事故です。人は間違いをしますがそれは不可抗力であれば仕方無い時があります。しかし今回の本震に続いて今回の余震程度で危機的状況と紙一重では、その建物の耐震性は震度5という大変低いレベルですから故意的な感じ(知っていたのに何もしなかった)がします。
時々建て主さんから「どんな地震が来ても大丈夫な家はできないか?」と質問を受けた時「原発並みに備えればできますが、岩盤で基礎を支持する施工だけでも上屋建物の何倍ものお金がかかります。それでも行いますか?」と答えてました。
これはある意味正しいです。その原発の本体部分は震度7でもこわれません。しかし放射能は漏れ安全性は震度5で失われるますから、その耐震性の本来の目的である放射能漏洩防止は維持できません。つまり原発の耐震性は震度5までなのです。
だから技術者として本当にショックですした。
コメント
酒井/高崎市 様
コメントありがとうございます。また何時もご覧頂くとのこと、感謝致します。
おっしゃるとおりです。健康に害を及ぼしそうな情報は包み隠さず何事も聖域なき情報公開を望みますし、時には180度転換の決意も必要です。
今日(昨夜ですが)のコメントの火ぶたを切って頂きかさねて感謝です。
いつもブログ拝見しております。
高崎市で、高気密高断熱住宅に住んでおり、特にエアコンの使い方を参考にさせていただいております。
さて、浅間さんが、常々、「性能表示の耐震等級2以上を取得するか、構造計算をしないで、地震に強い家と宣伝するのはおかしい」と言っておられることに賛同いたします。
原発の耐震性は震度5の設計の話、衝撃を受けるとともに、やっぱりなとも思いました。
最近、中部大学の武田邦彦教授のHPを知り、原発事故後の教授の発信情報の的確さに脱帽しました。
事故直後に、もっと早く知っていればと思うこともありました。
「引用はご自由にどうぞ」と書いてありますので引用しますが、 風評被害を専門とする社会学者の話はとても複雑でしたが、簡単に言うと、 「風評被害というのは、正しい情報を伝えないことによって起こる」 という記載がありました。
役所と、(役人の天下り先の)電力会社は、原子力発電所は、「耐震等級1」レベルで造ってあるにもかかわらず、「法律通りの耐震基準できちんと造ってあるので地震に強い原子炉ですよ」と、「耐震等級3」レベルで造ってあるかのごとく、今まで国民に積極的に誤解、錯覚させていたのだと思います。
かなり初期の段階で、設計に不備があることは、きっとわかっていたはずですが、役人のメンツや、責任逃れにより組織的に先送りにされ、今回ついにばれてしまったのでしょう。
思えば、柏崎刈羽原発の事故の時が改善する最大のチャンスだったのでしょうが、幸運にも事態がおおごとにならなかったために、また先送りされたのでしょう。
管首相を始めとした政治家には、自分の言葉で、福島県の住民、原発の近くの住民、また全国民に、今までのごまかしを「ごめんなサイ」と謝り、震度7の耐震性でない原発は稼働させないと約束してほしいです。
また、全国民を代表して、管首相の口から、全世界の素敵な仲間へ向かって「ありがとウサギ」と直接感謝の言葉を発信してほしいです。
一緒に、原発の情報も包み隠さず、世界にきちんと受信されるよう発信してほしいです。
ACのCM、管首相は見てないのでしょうかねえ。